スタンリー・トゥッチとZoom ─ 「ホイットニー・ヒューストンのような歌声は二度と現れないだろう」

『ボヘミアン・ラプソディ』の脚本家が、伝説の歌姫ホイットニー・ヒューストンの輝かしい生涯を描いた映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』が2022年12月23日より日本公開だ。
ホイットニー・ヒューストンはビートルズの記録を破り、シングル「Saving All My Love For You」以降7曲連続で全米シングル・チャート1位を獲得。その圧倒的な歌声は‟THE VOICE“と称され、アルバムやシングルなどこれまでのトータル・セールスは2億枚を超える。さらにグラミー賞6冠など400を超える受賞歴はギネス世界記録に認定されるなど、音楽史に残る大偉業を成し遂げた。
本作はそんな彼女の、ジャンルも人種も超えたグレイテストソング誕生の瞬間や、「歌いたい曲を、自分らしく歌う」ことに命を燃やした栄光の半生を、数々のNo.1ヒットソングとともに臨場感たっぷりに描ききる。
この作品で、ホイットニーを献身的に支えた音楽プロデューサーのクライヴ・デイヴィス役を演じたスタンリー・トゥッチ。『プラダを着た悪魔』(2006)ナイジェル役や、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)エブラハム・アースキン博士などで知られ、『ラブリーボーン』(2009)『ターミナル』(2004)『スーパーノヴァ』(2020)など数々の作品で活躍する名優だ。
THE RIVERでは、スタンリー・トゥッチとZoomを通じてインタビュー。実際の映像とともに、トゥッチが語るホイットニー・ヒューストンの魅力を感じて欲しい。
『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』
クライヴ・デイヴィス役スタンリー・トゥッチ 動画インタビュー
──伝説的なミュージシャンの伝記映画が好まれています。『ボヘミアン・ラプソディ』や『ロケットマン』『エルヴィス』もありました。こういった映画では、あなたが演じられたような音楽マネージャー、あるいはビジネスマンは、ミュージシャンとの間にトラブルを起こしがちですね。でもあなたのキャラクターは、家族のようにホイットニーを支えました。ホイットニー・ヒューストンとクライヴ・デイヴィスの仲が良かったのは、なぜだと思いますか?
どうしてだろうね。なぜ人の仲が良いのかを説明することはできません。化学反応のようなものでしょう。
彼のドキュメンタリーや本によると、彼はたくさんの人と良い関係を築いていました。他のミュージシャンと違って、彼女とは叔父のような関係になれたのです。彼は常にクライアントのことを第一に考えていました。それは彼のキャリアを見れば明らかです。多くのスターを育て上げていますから。
──僕は90年代の洋楽を聴いて育ちました。当時子どもだった僕にとって、あの頃の音楽は大人の世界のような感じで、憧れていました。だから本作で全盛期のホイットニー・ヒューストンやボビー・ブラウンに会えたり、マイケル・ジャクソンやジャネット・ジャクソンといった名前も出てきたりして、とても嬉しかったです。あなたにとって、90年代の音楽シーンはどんなものでしたか?
90年代の音楽シーンか……。90年代の前半、私はニューヨークにいて、それからニューヨーク北部のウェストチェスター郡に移った。時代が目まぐるしく変化していて、80年代にはMTVが登場して、全てが変わりました。全てです。それからテクノロジーの変化があって、それに伴って音楽も急激に変化しました。とても面白い時代でした。
──ホイットニーの曲が、時代を超えるのはなぜだと思いますか?
そりゃもう、彼女の歌唱ですね(笑)。たくさんの人が歌える曲だし、いい曲です。でも、彼女が歌うと、最高の歌に生まれ変わるんです。
──ホイットニー・ヒューストンに個人的な思い入れはありましたか?
君と同じです。私は君よりもずっと年上ですが、歳を重ねるにつれて、自分でも気付かぬうちに彼女の楽曲が人生の一部になっていきました。彼女はなんだって歌える。あんな歌声は他に誰も出せないし、おそらく今後も現れないでしょう。 そのまま自分の一部に馴染んでいって、それが不思議と心地いいんです。

『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』は2022年12月23日より日本公開。
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