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『ジャスティス・リーグ』ザック・スナイダー版は幻か ─ 意見さまざま、「1000%存在しない」主張の理由は

映画『ジャスティス・リーグ』をめぐってファンの間で論点となっているのは、前監督のザック・スナイダーが本来構想していた作品であったかどうかという点だ。同作は『マン・オブ・スティール』(2013)や『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)を手がけ、現在のDC映画のアイデンティティを牽引してきたザック・スナイダー監督が愛娘の死を理由に途中降板。代わりに、『アベンジャーズ』(2012)のジョス・ウェドンが後任監督として再撮影や仕上げ作業にあたったのである。

紆余曲折を経て完成した『ジャスティス・リーグ』は、重厚なトーンが持ち味のザック・スナイダーによる演出と、ワーナー・ブラザーズの命を受けたジョス・ウェドンによる明るいトーンが混在する作品となった。ファンからは「暗いDCからの脱却」「こんなDC映画を観たかった」など歓迎的な評価が挙がる一方で、ザック・スナイダーの作風を好むファンからは「ザック版を観たい!」という署名活動も持ち上がっていた。有志のファンがオンラインで立ち上げたこの署名活動には2017年11月25日(日本時間)で世界中から12万3千人以上の賛同を獲得、更にザック本人もSNS上でこの活動に「いいね」を送ったという報告もあり、注目を集めていた。本撮影で撮影監督を務めたファビアン・ワグナー氏もザックが手掛けたシーンが本編からカットされたことを明かしながら、ザック版の制作を望んでいた。

一方で、本作VFXスタッフとして携わったという者が、ザック版待望派に異を唱えた。この匿名のスタッフは、”ザック版”など「1000%ありえない」ネット上の掲示板に書き込んでいる。

「もちろん、ザックが去る前に組んだカットはある。でも9ヶ月も前のことだからね。ザック本人も言っているけど、(2017年)3月以降はプロジェクトに触れていないし、干渉もしていないし、プロセスに携わってもいない。ザック版なんてものは存在しない。制作のプロセスを理解もしないで噂だけ広めるような連中は最低だよ。」

ザック版は幻なのか

待ち望まれるザック版について、ネット上では情報合戦が続いている。ファンメディアComicBook Debate発起人のシュルーズ・ファローキー氏は「関係者から直接聞いた」話とし、ザック・スナイダー版はほぼ完成したVFXとジャンキー・XLのスコアと共に存在している訴える。ただしワーナー・ブラザーズがこれを最後まで完成させるか、またリリース予定があるかどうかはわからないとのことだ。シュルーズ氏は「僕のソースの方が、そのVFXスタッフより確実だ」と反論しているが、双方共に眉唾ものとして捉えておくのがよさそうである。

ザックが手掛けた前二作の上映時間が共に140分を超える長尺だったのに対し、『ジャスティス・リーグ』はワーナー・ブラザーズの意向により121分にまとめられていた。ザックが当初意図していたシーンのうち、最終版からカットされたものは少なくなさそうだが、幻のザック版が本当に存在するのかは、時が経てばいずれわかるであろう。今後のBlu-ray&DVDリリースに併せ、ポジティブな続報を待ちたい。

ともかく、2017年11月23日より日本でも公開を迎えた映画『ジャスティス・リーグ』は国内ファンの間でも評判だ。未見の方は是非劇場へ。

Source:https://heroichollywood.com/justice-league-snyder-petition-cut/
https://screenrant.com/justice-league-snyder-cut-not-happening/
https://twitter.com/SherazFarooqi_/status/934185241639563264

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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