ジョニー・デップ「ハリウッドに拒否されているとは思わない、もうハリウッドのことを考えていないから」 ─ カンヌ映画祭の記者会見にて

2023年5月16日(現地時間)に開幕した第76回カンヌ国際映画祭にて、ジョニー・デップが久々に公の場に登場した。オープニング上映作品となった出演映画『Jeanne du Barry(原題)』の記者会見にて、ハリウッドの表舞台から姿を消していた数年間について語っている。米Varietyなどがその様子を報じた。
元妻アンバー・ハードに対するドメスティック・バイオレンス疑惑があったデップにとって、『Jeanne du Barry』は、2022年6月にハードを相手取った名誉毀損裁判で勝訴して以来の映画復帰作。一連の騒動により、デップは『ファンタスティック・ビースト』シリーズの降板を余儀なくされ、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズにジャック・スパロウ役で復帰することも難色を示されるなど、ハリウッドと距離を取らざるをえなくなった。
現在、デップがハリウッドに複雑な思いを抱いているのは当然のことだろう。記者会見では「ハリウッドに拒まれていると思うかどうか? 心を殺せば、“そんなわけがない、おかしなジョークだ”と感じるのかもしれませんね。空気中に漂うアルファベットの羅列だけで映画を降板するよう命じられたら、そりゃ拒否されていると感じますよ」と現在の心境を口にした。
しかし、現在のデップは自身の現状を達観してもいるように感じられる。「ハリウッドから拒まれているとは思いません。なぜなら、僕がもうハリウッドのことを考えていないので」とも言っているのだ。
「誰もが自分のままでありたいのに、それができないという、奇妙でおかしな時代です。目の前にいる人と歩調を合わせなくてはなりません。もしそんな人生を歩みたいのであれば、最善を尽くすことを願っています。」
デップの復帰作『Jeanne du Barry』は、18世紀のフランスを舞台に、労働者階級出身で知性と魅力を武器に社会的地位を上げ、ルイ15世の公妾となったデュ・バリー夫人の人生を描く歴史劇。デップはルイ15世役を演じ、全編フランス語の演技も注目を集めている。先日は監督復帰作として、名優アル・パチーノらを率いて、芸術家アメデオ・モディリアーニを描く伝記映画『Modi(原題)』を製作する旨が報じられたばかりだ。
俳優・映画監督として新たに歩み始めたデップだが、『パイレーツ・オブ・カリビアン』を手がけるジェリー・ブラッカイマーが、新作企画にデップの復帰を望むコメントを寄せたことも話題となっていた。今後、ハリウッド作品に本格的に復帰する可能性はあるのか、それとも独自のキャリアを進むのか。デップの今後から目が離せない。
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