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征服者カーン役ジョナサン・メジャース、18歳で『ダークナイト』に衝撃受ける ─ 「史上最もハイレベルなエンターテイメント」

ダークナイト
© 2008 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

スーパーヒーロー映画の歴史に残るヴィランといえば、『ダークナイト』(2008)で故ヒース・レジャーが演じたジョーカーだろう。いま、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の新たな大物ヴィラン・征服者カーン役を演じるジョナサン・メジャースが、『ダークナイト』の思い出を熱く語っている

『ダークナイト』といえば、クリストファー・ノーラン監督&クリスチャン・ベール主演による『ダークナイト』3部作の第2作。2000年代のアメリカ社会の価値観に基づきながら、シリアスかつダークな脚本、骨太な演出で高い評価を受け、今もなおコミック映画の傑作として称えられている。1989年生まれのジョナサンは公開当時18歳で、高校時代の恋人と、彼女の父親と3人で映画館に足を運んだという。深夜の上映を訪れたのも人生で初めてだったそうだ。

ジョナサンは『ダークナイト』を、「史上最もハイレベルなエンターテイメントであり、同時に観客に挑戦する、貴重な映画のひとつ」だと形容する。すべてのフレームで観客の意識や社会的知識に訴えかけ、意味のこめられた色彩で視覚を刺激し、人々の想像力や集合的無意識をかき立てる映画だと。特に驚かされたのは、バットマンとジョーカーを通じて善悪の曖昧さを描いたことだったようだ。

「この映画を貫くのは“モラル”というテーマです。何が正しくて、何が間違っているのか。エンドクレジットが流れはじめるや、18歳の僕は映画館で打ちのめされました。これまで映画で観たことのなかった美しさと、人間の複雑さに。あえて言えば、それは自分自身の中にもなかったものだったのです。」

ダークナイト
© 2008 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

“善”のバットマンと“悪”のジョーカーを分けるものは、「ゴッサムを見て、ゴッサムを考えたあとの彼らの行動です」とジョナサンは力説する。登場人物の倫理的な揺らぎを、面白味と説得力をもって体現する俳優陣の演技にも感銘を受けたようだ。

最後にジョナサンは、『ダークナイト』は「人間であること、生きていること、自分の人生を生きることについて問う映画」だとも書いている。「人生と人間は美しく、複雑で、また進化してゆくもの。その事実が、『ダークナイト』を長年にわたって普遍的な傑作たらしめているのです」。ジョナサン自身、見返すたびに人間の精神について考えさせられているという。

「ベール演じるバットマンとレジャー演じるジョーカーという史上最高のライバル関係によって、この映画は、人生の一歩一歩が、私たちをヒーローかヴィランのどちらかに導くことを描いています。よりよい明日のための共感と希望、また私たち自身や我々のコミュニティに対する善を信じる心が、私たちを真に導いてくれるのです。」

アントマン&ワスプ:クアントマニア
© 2022 MARVEL.

ジョナサンは『アントマン&ワスプ:クアントマニア』で征服者カーン役として初登場したのち、2025年公開『アベンジャーズ:カーン・ダイナスティ(原題)』までは少なくともカーン役を演じ続けるものと思われる。『ダークナイト』でスーパーヒーロー映画に「打ちのめされた」という彼は、いったいどんなヴィラン像を見せてくれるのか。同じく敵対者ポジションを務める『クリード3(原題)』の演技にも注目だ。

映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は2023年2月17日(金)日米同時公開。

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Source: Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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