『ハン・ソロ』無名のバスケ選手が、二代目チューバッカを襲名するまで
2018年公開予定の『スター・ウォーズ』シリーズ最新作『ハン・ソロ(タイトル未定)』から、ハン・ソロ役アルデン・エーレンライクらメインキャストの集合写真が公開された。
ハン・ソロという、スター・ウォーズ・ユニバースで最も愛される伝説的キャラクターの若き日々を描く今作。ハン・ソロはもちろん、相棒チューバッカに盟友ランド・カルリジアンなど、古くからお馴染みのキャラクターが登場するが、キャストにはフレッシュな若手俳優を起用している。やや毛並みが綺麗に見える着ぐるみでの撮影となるチューバッカも、中の人は1977年の『新たなる希望』以来同役を演じてきたピーター・メイヒューではなく、ヨーナス・スオタモという名の人物が演じる。
バスケットボール選手としての経歴も持つヨーナスは、一体どんな人物なのだろうか。実はヨーナスは、『フォースの覚醒』でもピーター・メイヒューのボディーダブルとして既にチューバッカを演じている。無名のバスケットボール選手は、一体なぜ映画史上最も愛されるキャラクターの役を得ることができたのか?
ヨーナス・スオタモは何故チューバッカ役を射止めたのか
身長209cmのバスケットボール選手、ヨーナス・スオタモは、フィンランド出身の1986年生まれ。かねてよりバスケットボールの他にも演技に興味があり、ペンシルバニア州立大学ではフィルムとビデオについて学んだ。しかし、バスケットボール選手としてはアドバンテージとなるその長身は、役者としては大きすぎた。ヨーナス自身は、Business Insiderの取材でこう語っている。
「高校では演劇をやるのが大好きでした。でも、演技のチャンスが得られるとは全く考えていませんでした。身長のせいでね。だから、もっと舞台裏のことについて勉強しました。」
在学中はフォワードとセンターでコートを駆けたヨーナスは、卒業後はプロ選手を目指すこと無く地元フィンランドに戻り、映像プロダクション会社に就職、サイドとしての仕事をこなす。また、保険セールスの仕事もしていたそうだ。「保険は電話営業だったので、僕の身長に左右されませんでしたね。」
2013年、とある映画プロダクションが、身長7フッター(213cm)で青い目の役者を探しているという噂がフィンランドのバスケットコーチの耳に届く。ヨーナスは209cmなので条件をわずかに満たさないが、コーチはすぐにヨーナスを紹介したそうだ。
オーディションに挑んだヨーナスだったが、その当時は何の映画のオーディションなのかわからなかったという。
「最初にいくつかの書類にサインしているとき、そこに“スター・ウォーズ”という文字が読めたんです。」
オーディションを進める間、ヨーナスはずっと「新キャラクターの役だろう」と考えていたが、ロンドンでのオーディションで知らされた役柄とは、ピーター・メイヒュー演じるチューバッカのボディーダブル役であったということだ。
ヨーナスにとってチューバッカ役は、まさにピッタリの役だったという。それは、他の役では邪魔になってしまう長身が活かせるから、というだけではない。既にピーター・メイヒューによってチューバッカというキャラクターが完全に作り上げられていたことが彼にとっては大きかった。
「バスケの練習では、僕はいつもチームメイトのスタイルを真似していました。だから知らぬうちに、チューバッカを演じるための準備が仕上がっていたんです。」
その後、J.J.エイブラムスに呼び出されロンドンに飛んだヨーナスは、正式にチューバッカのダブル役を与えられる。2014年4月のことだった。
『フォースの覚醒』では、ピーター・メイヒューと共に二人一役でチューバッカ役を演じているが、どのシーンがピーターでどのシーンがヨーナスのショットかについては明言を避けている。ヨーナス曰く、「それを探し当てるのがファンのお楽しみ」ということだ。
ちなみにヨーナスは、『フォースの覚醒』の撮影における忘れられない想い出として、ミレニアム・ファルコンのセットでの撮影を挙げている。ヨーナスは、「(セットはオリジナル版と)全く同じやり方で作られていて、そしてセットの”匂い”までもオリジナル時と全く同じだと言われました」と、現場の人間にしか味わえぬ興奮を語っている。
ピーター・メイヒューは『ハン・ソロ』に登場しない
1977年からチューバッカを演じ続けてきたピーター・メイヒューは、今回の『ハン・ソロ』には登場しない。御年72歳となったピーターが、まだ若く血気盛んなウーキー族を演じるのが難しいから、というのがその理由のようだ。噂によると、『最後のジェダイ』と『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』には登場するという。ファンとしては嬉しい半面、くれぐれも無理はしないで欲しい。
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