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『ブラックパンサー』マイケル・B・ジョーダン、「キルモンガーはヴィランではない」と語る

ブラックパンサー
©Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータイメージ

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)映画『ブラックパンサー』(2018)でヴィランのキルモンガー/エリック・スティーヴンスを演じたマイケル・B・ジョーダンが、「キルモンガーはヴィランではない」と自論を展開している。

『ブラックパンサー』で、アフリカの秘境にあるワカンダ王国の秘密を知ったキルモンガーは、国王のブラックパンサー/ティ・チャラを倒し、とてつもないパワーを秘めたヴィブラニウムを手に入れて世界を征服をするため、ワカンダへ潜入。ティ・チャラと死闘を繰り広げた。

本作でキルモンガーは「ヴィラン」として描かれてはいるが、勧善懲悪として完全に白黒がつけられるキャラクターとは言えないかもしれない。世界征服を目論んではいるが、彼の究極の目標は、黒人コミュニティの世界的な解放を達成することだ。よって、マイノリティとしてアメリカで人種差別を体験しながら育ったエリック/キルモンガーを、「アンチヒーロー」として見ているファンは少なくないのではないだろうか。そういった理由で、ファンの間でキルモンガーがブラックパンサーと並ぶ人気を誇り、続編『Black Panther: Wakanda Forever(原題)』へのカムバックが声高に望まれているとも考えられそうだ。

そんなキルモンガーのキャラクター像について、米Bleacher Reportのトーク企画に登場したジョーダンが、「キルモンガーはヴィランですか?」と質問され、「ノー」と回答。その理由について、「キルモンガーはティ・チャラと同様に同胞を気にかけていましたが、物事を成し遂げる方法が(彼とは)違っていました」と答えている。

また、エリック/キルモンガーはマサチューセッツ工科大学を卒業して歴史にも詳しい秀才ではあるが、「物事を変える方法は一つしかないと考えてしまったんです」と分析。続けて、「ですが、彼の主張が完全に間違っているとは思いませんし、ティ・チャラも間違っているとは思いません。そういう違いを話合う必要があるのではないでしょうか」と自論を展開している。人種差別問題に対処する際、暴動を起こして暴力で訴える人もいれば、人々を説いて草の根運動で地道な変化を起こそうとする人もいるだろう。そのような違いについて、ジョーダンは述べているのではないだろうか。ジョーダンは、キルモンガーはヴィランとして登場したとはいえ、観客が語るべき問題を提起した画期的なキャラクターだと見ているようだ。

なお、『ブラックパンサー』は黒人のスーパーヒーローを主人公にしたマーベル初の作品であり、キャストとのほとんどを黒人俳優が占める映画だ。その存在自体が革新的な作品は、主人公ブラックパンサーを演じたチャドウィック・ボーズマンを失ってしまったが、それでもそのメッセージと物語は続いていく。今後、キルモンガーが復活するかどうかは未知だが、続編『Black Panther: Wakanda Forever』が新たに成し遂げることに期待したい。

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Source:Bleacher Report

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Hollywood

ロサンゼルスに11年在住していた海外エンタメ翻訳家/ライター。海外ドラマと洋画が大好き。趣味は海外旅行に料理と、読書とキャンプ。

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