マーティン・スコセッシ新作、再びストリーミングに登場か ─ Netflix・Appleなどに打診、ディカプリオ&デ・ニーロ共演作

巨匠マーティン・スコセッシ監督による最新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン(原題:Killers of the Flower Moon)』が、前作『アイリッシュマン』(2019)に続いて、再びストリーミング配信作品となる可能性が浮上してきた。米The Wall Street Journalが報じている。
レオナルド・ディカプリオ&ロバート・デ・ニーロの共演で話題の本作は、2019年に米パラマウント・ピクチャーズが製作の契約を締結。しかし製作費が2億ドル以上という高予算となったことから、スタジオ側が懸念を示し、スコセッシ側が新たなスタジオへの打診を開始。『アイリッシュマン』を手がけたNetflix、オリジナル作品の製作に積極的なAppleとの話し合いが行われているという。そのほか、ハリウッドの大手スタジオであるユニバーサル・ピクチャーズやMGMにも打診しているとのことだ。
現在、新型コロナウイルスの影響でハリウッドのスタジオ各社は多くの企画を一時中断せざるを得ない状況にある。『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』はプリプロダクション(撮影準備)が進められていたが、パラマウント側は、そのさなかに製作費についての懸念を表明していたそう。パラマウントとスコセッシは『アイリッシュマン』でも製作費をめぐってトラブルとなっており、同作ではパラマウントからNetflixに権利が移っていた。
The Wall Street Journalに証言した関係者によれば、現状の製作費と脚本では、パラマウントが単独で製作を継続する可能性は低いという。今後、新たな企業が加わって共同製作となることもありうるが、もしもNetflixやAppleが参加した場合、やはり『アイリッシュマン』と同じく、劇場公開の規模・期間がひとつの課題となるとみられる。
『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』は、デイヴィッド・グランの犯罪ノンフィクション『花殺し月の殺人──インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』(早川書房刊)を原作に、アメリカ南部・オクラホマ州で1920年代に起こった先住民族オセージの殺人事件をひも解く物語。人々が連続死を遂げる背景には、現地での石油発見があった。石油マネーと政治、人種差別が絡む“アメリカ史の闇”に迫ったベストセラーを、スコセッシと『ミュンヘン』(2005)のエリック・ロスが脚色。撮影監督は『沈黙 -サイレンス-』(2016)『アイリッシュマン』のロドリゴ・プリエトが務める。
Source: The Wall Street Journal