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超実写版『ライオン・キング』新作が始動、『ムーンライト』監督が就任 ─ 「続編でもリメイクでもない」

ライオン・キング
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ディズニーによる“超実写版”映画『ライオン・キング』(2019)の新作企画(タイトル未定)が始動、監督に『ムーンライト』(2016)のバリー・ジェンキンスが就任した。米Deadlineなどが報じている。

1994年製作の名作アニメ『ライオン・キング』をフルCGでリメイクした2019年版は、『アイアンマン』シリーズや『ジャングル・ブック』(2016)のジョン・ファヴロー監督が手がけ、全世界興行収入で約16億5,700万ドルという大ヒットを記録。新作にはドラマ「マンダロリアン」(2019-)で多忙のファヴローに代わって、新たにバリー・ジェンキンス監督が起用された。

ストーリーは謎に包まれているが、報道によると、『ライオン・キング』の主人公シンバの父親ムファサの若き日に焦点が当てられるほか、再びアフリカを舞台に、複数のキャラクターをさらに掘り下げるとのこと。Deadlineは「物語は前進するが、『ゴッドファーザー PART II』(1974)を思わせる」内容だと記している。一方、ジェンキンス監督がTwitterにて「続編でもリメイクでもありません」と記していることには注目しておきたい。

脚本には前作を執筆したジェフ・ナサンソンが復帰し、すでに第一稿が完成済み。前作でファヴローと米インダストリアル・ライト&マジック(Industrial Light & Magic)が開発し、のちに「マンダロリアン」にも活かされた製作テクノロジーも継承される。アニメ版や前作から、音楽が作品の核を担う構造も引き継がれるということだ。

発表にあたり、ジェンキンス監督は「1990年代、2人の少年を育てる姉を手伝いながら、私は『ライオン・キング』のキャラクターとともに成長してきました。友情や愛、受け継がれるものの物語を広げていく機会とともに、各地に散らばるアフリカ系の人々の生活と精神を記録していくという自分の仕事を続けられることは夢が叶ったかのよう」とのコメントを発表していく。

声明にもある通り、ジェンキンス監督は『ムーンライト』や『ビール・ストリートの恋人たち』(2018)を手がけ、次回作には奴隷の黒人少女の逃亡劇を描いた同名小説をドラマ化した「地下鉄道(原題:The Underground Railroad)」を控えるなど、その作品群には一貫したテーマとモチーフがある。また、ディズニーは『ライオン・キング』から派生したビヨンセのビジュアル・アルバム『ブラック・イズ・キング』をDisney+で発表する、『リトル・マーメイド』『ピーター・パン』といった名作アニメのリメイク映画に黒人俳優を積極的に起用するなど、ブラックカルチャーを取り入れた創作と企画を推し進めるさなか。ディズニーアニメとジェンキンス監督という異色のタッグは、果たしてどんな作品に結実するか。

現時点で本作の公開時期や製作時期は告知されていないが、スタジオ側は本作を最優先で進行する構え。ドナルド・グローバーやビヨンセ、キウェテル・イジョフォーら前作声優陣の復帰についても不明となっている。

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Sources: Deadline, Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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