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【何故マッツ城にルークのライトセイバー問題】”深紅の海賊”キャプテン・イサノがルークのライトセーバーを見つけて届けた説

『ローグワン』公開まで一か月を切りました。スター・ウォーズ・フリークス同志の皆さん、こんにちは。昨年末と同じ、期待と不安が入り混じった、事前情報をできるだけたくさん知りたいような、でも確度の高い情報は知りたくないような相反する感情に揺れ動き、気が付けば仕事中にも関わらずGoogleの検索ワードに「ローグワン 最新」と無意識に入力してしまってるような苦しい情緒不安定の年末をお過ごしだと思います。

そんな皆様へのお慰みに、今回は久しぶりに拙稿キャプテン・ファズマ問題カンジクラブ問題に引き続き、昨年末公開『エピソード7/フォースの覚醒』の内容に関して、筆者が個人的に疑問を感じ、研究を進めたトピックスを扱いたいと思います。題しまして、「なぜ、あんなところにルークのライトセイバー問題」

なぜマズ・カナタがルークのライトセーバーを保管していたのか

『エピソード7/フォースの覚醒』において、マズ・カナタが保管し、やがてレイの手に渡る物語の重要な鍵となったライトセイバー。「なぜあんなところにルークのライトセイバーが?」と全スターウォーズファンが頭を抱えたという、未だに解決していない(マズ・カナタがその話はまた今度!で片づけてしまったので)頭の痛い疑問点ですよね?あのライトセイバーはかつてジェダイであったアナキン・スカイウォーカーのものであり、エピソード3、ムスタファ―での対決を経てオビワンの手に渡り、エピソード4でルークに手渡され、そして『エピソード5/帝国の逆襲』のクライマックス、クラウド・シティーでのダースベイダーとの初対決において、右腕ごと斬り飛ばされ、そのまま排気シャフトを落下してしまい、その行方はわからなくなったはずのモノなわけです。
それがどうして、『エピソード7/フォースの覚醒』では、しれっと惑星タコダナくんだりにあるマッツ城地下の木箱に収まっていたのでしょうか。

順を追って拙論を述べたいと思いますので、まずはこちらの画像をご覧ください。

http://media.vanityfair.com/photos/5543ca95db753b82389cbd89/master/pass/vanity-fair-star-wars-02.jpg
http://media.vanityfair.com/photos/5543ca95db753b82389cbd89/master/pass/vanity-fair-star-wars-02.jpg

これは今から約一年半前、エピソード7公開もまだ遠い2015年5月4日に発売された『Vanity Fair』誌の誌面です。この画像はスターウォーズの新作(エピソード7)に登場予定の、エピソード4の『チャルマンの酒場』を彷彿とさせるエイリアンが集う盛り場、その初公式ビジュアルとして発表されたものです。

エピソード7を散々鑑賞してしまった現在では、この画像を初めて目にした時の興奮というか新鮮な驚きはうまく思い出せませんが、それでも画像右端、赤いマスクに赤い装束を身に着けた異星人の姿は一際印象的で、「なんかアメコミヒーローっぽい、かっこいいのがでるぞ!」と、仲間うちで話題にしたのをはっきり覚えています。
『エピソード7/フォースの覚醒』を既にご覧になった皆様は当然お分かりだと思いますが、この異星人、その名は劇中で呼ばれることはありませんが、物語中盤、マッツ城(マズ・カナタの酒場)にて、フィンがレイやハン・ソロと決別し、一人で逃避行に出ようとする際、マズ・カナタが「あそこにいる連中は銀河の外縁部まで行くから、乗せてもらうといい」と紹介し、フィン自身が渡りをつけた二人組の宇宙船乗り、その一人です。

登場場面も少なく、セリフもないキャラクターですが、なぜかパンフレットには「キャプテン・イサノ」と写真入りで紹介されており、しかも「マズ・カナタの城に集まる海賊の一人。深紅の海賊の異名をとる」と厨二心を煽りまくるキャプションまでついておりました。

キャプテン・イサノとは

そのいかにも曰くありげ、全くモブキャラっぽくない容姿にも拘わらず、前述したとおり映画内では一切説明されないキャプテン・イサノのバイオグラフィー。ご存知の方も多いかと思いますがこれは、エピソード7公開に先駆けて電子書籍で発売されたスピンオフ短編小説のうちの一作、ランドリー・ウォーカー著の”The Crimson Corsair and the Lost Treasure of Count Dooku”の内容を踏襲したものです。以下、スターウォーズオンライン百科事典「Wookieepedia」のサイドン・イサノの項にその概要が記載されていますので、引用いたします。

『サイドン・イサノ(Sidon Ithano)はデルフィディアンの男性で銀河大戦の数十年後にアウター・リム・テリトリーで活動した海賊。緋色の海賊(Crimson Corsair)、血のバッカニア(Blood Buccaneer)、赤い襲撃者(Red Raider)等、さまざまなニックネームで知られた。特徴的な赤いカリーシュのマスクを身に着けていたイサノは、領域一と名高い海賊団を率いていた。イサノの海賊団はクローン大戦期に分離主義勢力が使用した宇宙船を発見し、かつてドゥークー伯爵が所有した貴重なカイバー・クリスタルが手に入れられると踏んで略奪を働いた。しかし彼らが発見したのは、仮死状態で冷凍保存されていたキックスという名の銀河共和国軍クローン・トルーパーと、忘れ去られた旧分離主義勢力の基地の位置情報だった。』

サイドン・イサノ | Wookieepedia

筆者の誇る英検2級レベルの英語力で原著をあたり注釈を加えますと、要するにこのキャプテン・イサノさんは、アウター・リム・テリトリーではナンバーワンの海賊団の首領でした。かつてクローン大戦の時代に、分離主義勢力が使っていたという宇宙船に、ドゥークー伯爵が所有していた貴重なカイバー・クリスタル(クローン大戦中に死んだジェダイのライトセイバーからとった)が眠っているという情報を聞きつけ、このロストブーティー争奪戦に参戦します。同業者や宿敵、サンドワームや毒砂嵐をなんとか奇跡的にやりすごして目的に到達、件の宇宙船を捜索しますが、発見できたのは冷凍睡眠していたキックスという名のクローントルーパーと、大量の分離主義者の情報でした。※カイバー・クリスタルというのは、ライトセイバーの動力源になっているというクリスタル鉱石です。

この電子書籍小説”The Crimson Corsair and the Lost Treasure of Count Dooku”で描かれたバックストーリーは、ディズニーがさんざん監修したであろう公式パンフレットのキャプション、及び劇中のマズ・カナタの発言(小説版フォースの覚醒ではもう少し詳しくキャプテン・イサノについて言及しています)から、公式の世界観に反映されていることが判ります。そして、それを正式の史実の一部とするならば、キャプテン・イサノは、アウター・リム・テリトリーで一番の海賊団のボスで、そして、ここが重要ですが海賊団として「カイバー・クリスタル」をメインターゲットに探しているわけです。
当然縄張り内のカイバー・クリスタル情報は首領であるイサノの元へ吸い上げられ、集約されていることが推量できますよね?小説内で描かれたような争奪戦が起こるくらいの貴重なオタカラなわけですから、そうそう確かな情報など入ってくるわけもなく、キャプテン・イサノは日常的にアンテナを張り巡らし、集められた情報の取捨選択に目を光らせていたと思います。「カイバー・クリスタル関連の情報ならばどんな小さなネタでも拾ってこい!」そんな号令が海賊団には出ていたのではないでしょうか。

ルークのライトセーバーを運んだのはキャプテン・イサノ?

ところで皆さま、話は変わりますが「エピソード5/帝国の逆襲」、件のライトセイバーが紛失したクラウド・シティー、どこにあるか知っていますか。ガス惑星べスピン?なるほど、そこまではちょっとしたマニアなら既知のことですよね。
それでは、そのクラウド・シティーがある惑星べスピンはどこにあるのかご存じですか?ここでもスターウォーズのことならだいたい載ってる『Wookieepedia』を引用させて頂きたいと思います。

『ベスピン(Bespin)はアウター・リム・テリトリーアノート宙域に属した大型のガス巨星である。ベスピンは複数の衛星を持ち、惑星のガス層の中には、居住に適した大気層もあった。ベスピンのガス層は貴重なティバナ・ガスの源で、複数の採鉱施設でガスの収集や製錬が行われていた。クラウド・シティーもそうした施設のひとつで、雲の中に浮かぶ巨大なメトロポリスだった。銀河大戦中、ベスピンは中立を保っていたが、銀河帝国は強制的にクラウド・シティへ駐屯部隊を派遣した。しかし、帝国がエンドア敗北した後、このガス巨星と採鉱コロニーは自由を勝ち取ることに成功した。』

ベスピン | Wookieepedia

重要なのは一行目でございます。アウター・リム・テリトリー。そう!キャプテン・イサノがその版図としている銀河外縁部に、べスピンは所在しているのです!お察しの通り、筆者はタイトルの疑問、「いったい誰がルークのライトセイバーを発見し、それをマッツ城に運んだのか」その答えは、この紅の海賊こと、サイドン・イサノ氏の仕業だと考えております。根拠は以下の通り。

キャプテン・イサノ説の根拠

  1. サイドン・イサノはアウター・リム・テリトリーで最大の勢力を誇る海賊の首領である。
  2. サイドン・イサノが率いる海賊団は、カイバー・クリスタルを求め、ジェダイのライトセイバーを捜索している。
  3. アナキンのものでやがてルークの手に渡ったライトセイバーは、アウター・リム・テリトリーにある地表のないガス惑星べスピン上空にて紛失している。
  4. アナキンのライトセイバーが再び見出された惑星タコダナのマッツ城に、サイドン・イサノは複数回寄港している。(マズ・カナタが素性をよく知っているため)
  5. サイドン・イサノの思想は、どちらかというと反乱軍寄りである。(ファーストオーダーから逃げているため)

いかがでございましょうか。4と5は『エピソード7/フォースの覚醒』文脈からの推測ですが、そんなに無理やりでもないと思います。アウター・リム・テリトリーで発見されたライトセイバーに類する情報、またはその実物は、そこを縄張りとする裏社会の大立者の元へ届いたはずです。
しかも根拠2、そのものズバリを絶賛捜索中なわけですから。そんな大事にしているお宝をなんでマズ・カナタに預けたのかという疑問は残りますが、そこはあれです、根拠5をより強くして、いけすかないファーストオーダーをぶっ潰せる唯一の望み、現存するただ一人のジェダイ、ルークの持ち物だということが判って、いずれその手に渡るように計らったと考えれば一応筋は通るはずです。

こう書いていると、もうこんなに状況証拠が挙がっているのだから疑う由はないような気さえしてきます。ただ、頭によぎる一抹の不安は、監督JJエイブラムスや、脚本のローレンス・カスダンは、ちゃんとファンが納得いく答えをこの件に関して用意しているのだろうか、というところ。
なんとなくこのライトセイバーの出所までは、エピソード8以降も言及されないような気もしますよね。どうか僕らの精神衛生のためにも、ほんと、ちょっと確かなことを一瞬匂わすだけでいいんで!そこから一を十にも百にも受け取りますんで!

この件に関して何らかの公式回答が得られることを祈って、駄文を終えたいと思います。いつもながらご清聴ありがとうございました。

Writer

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アクトンボーイ

1977年生まれ。スターウォーズと同い歳。集めまくったアメトイを死んだ時に一緒に燃やすと嫁に宣告され、1日でもいいから奴より長く生きたいと願う今日この頃。

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