『ジュラシック・ワールド』マルコム博士がウィズコロナを予見?「私のキャラクターがずっと話していたこと」ジェフ・ゴールドブラム

コロナ禍において、人々の生活様式は一変した。「ウィズコロナ」への対応が迫られる中、とある映画のキャラクターはかねてより本質的なメッセージを主張していた。
2018年公開の『ジュラシック・ワールド/炎の王国』イアン・マルコム博士である。恐竜との共存とその倫理問題を取り扱った不朽の名作『ジュラシック・パーク』シリーズの続編にあたる本作では、恐竜たちが住み着いた島に、火山噴火の予兆、すなわち恐竜絶滅の危機が迫る。映画では、恐竜の運命を人間が制御すべきかが争点となる。
マルコム博士は、恐竜が存在する社会の到来を「大変動」と呼ぶ。映画の終盤、博士は次のように述べるのだが、“恐竜”を“新型コロナウイルス”に置き換えてみても、現在の我々に通ずる部分は思いの外多い。
「日常の中での突然の変化は仕方ない、そう言われる方も多い。例えば、交通事故とか、死に至る病とか。人の力では制御しようのないものも存在するのだと。織り込み済みではあるが、それがいつ起きるか人には予測できないと。しかし、予測可能な変化もあるのです。それがまさに今起きました。
今日(こんにち)人類は、恐竜との共存を余儀なくされています。彼らは今、そこにいます。気をつけないと、滅びるのは人類か。我々は想像もできなかった脅威に直面している。新時代の始まりです。ようこそ、“ジュラシック・ワールド”へ。」
映画では、日常生活のいたるところに恐竜が現れた“新時代”の様相が映される。我々の実社会だって、マスクやフェイスシールドの着用やソーシャルディスタンスなど、日常の風景は変化した。「我々は想像もできなかった脅威に直面している。新時代の始まりです」と話すマルコム博士は、2018年公開のこの映画の中で、まるで2020年の世界を予見していたようではないか。
マルコム博士を演じたジェフ・ゴールドブラムも今となって、「私のキャラクターがずっと話していたことが起こった」と語っている。
「私達人類の、脆さです。世界的な連携が求められていて、科学の基盤が求められている。科学の倫理的な活用です。それこそが、私達を結びつけるために、求められているものです。ファミリーとしての、信頼と絆においてですね。可能性を追求し、私達と、この素晴らしい星によって、正しい行動を取るんです。そういうことが、今となってはもっと身近に感じられるでしょう。」
新型コロナウイルスについてはワクチンの開発も急がれているが、当面の間はこの脅威との「共存」が求められる。マルコム博士も、恐竜を制御・管理するのではなく、「自然に委ねるべき」「共存」と訴えた。私達の世界は「ウィズコロナ」だが、『ジュラシック・ワールド』の世界は「ウィズダイナソー」と言うべきか。
『炎の王国』の続編『ジュラシック・ワールド/ドミニオン(原題:Jurassic World: Dominion)』では、ついに恐竜が実社会に飛び出した世界を描く。製作陣も「ウィズコロナ」様式での撮影を余儀なくされている。撮影地はイギリスだが、同地で定められる安全基準を上回るほどの厳格な対策方針を独自に定め、109ページにも及ぶ資料をキャストやスタッフに配布しているという。ゴールドブラムは「製作側は、私たちが安全でいられるように、思いやりと魂、大金を投資してくれています。細かいことは言えませんが、キャスト、スタッフ全員が外界から閉ざされて隔離されるんです。そして検査やら何やらまで」と説明。どこもかしこも、“新時代の始まり”だ。
映画『ジュラシック・ワールド/ドミニオン(原題:Jurassic World: Dominion)』は2021年6月11日米国公開予定。この映画がやってくる頃には、少しでも事態が落ち着いていることを祈るばかりである。
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Source:PeopleTV