トム・ホランドがマーベルにおける「ロバート・ダウニーの立ち位置になりつつある」と『アベンジャーズ』ジョー・ルッソ監督

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は現在、過渡期にある。2008年の『アイアンマン』から始まったシリーズはフェーズ4まで進み、主要キャラクターを演じた俳優たちの何人かは既に「卒業」している。
中でも、これまでのMCUにおける「座長」に近かったのが、アイアンマン/トニー・スターク役のロバート・ダウニー・Jr.だ。MCUが世界最大の映画フランチャイズとなった理由は様々あるが、ロバート・ダウニー・Jr.がハマり役としてトニー・スタークを熱心に演じたこともその大きな一つであるということに、異論を唱えようとする者はいないだろう。『アベンジャーズ/エンドゲーム』や『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)のジョー・ルッソ監督もかつて、ダウニーは「過去40年間の誰よりもオスカーにふさわしい人物」と、アカデミー賞へのノミネートを奨励したほどである(後にダウニー本人はこれを謙虚に辞退している)。
ダウニーは『エンドゲーム』をもって、トニー役の務めを終え、讃えられながらシリーズを去っている。その後を継ぐ存在は誰か?ジョー・ルッソ監督は、スパイダーマン/ピーター・パーカー役のトム・ホランドこそが相応しいと考えているようだ。
「トムは、ロバート・ダウニーのかつてマーベルのための役割に足を踏み入れつつあります」と、ジョーは米GQで語っている。「多くの意味で、マーベル・ユニバースの魂です」。

実際にトム・ホランドは、最新のMCUにおける最重要人物になっている。主演作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、今MCUで最も注目を集めている作品であると言って過言ではないだろう。かつてロバート・ダウニーがMCUの顔役の1人であったように、今度は彼の愛弟子役であったホランドが、その役割を担おうとしているのであり、彼にはそれだけの存在感や愛嬌があると、ジョーは考えているようだ。
ただし、ジョーのこの発言には気がかりなところもある。ホランドは『ノー・ウェイ・ホーム』をもってマーベル・スタジオやソニー・ピクチャーズとの契約を満了し、今後の再出演予定は白紙なのだ。せっかくMCUの新たな顔役になろうとしているのに、12月米公開の作品をもって彼の役割は終了してしまうのである。
シリーズのプロデューサーであるエイミー・パスカルも、「彼なしで『スパイダーマン』は作りません」とコメント。当のホランド本人は、スパイダーマン役を演じるのは20代までにしておきたいと言った趣旨のことも語っているが、果たして今後の進退やいかに。
Source:GQ