マーベルがテレビ部門を正式閉鎖、映画部門「マーベル・スタジオ」に完全統合 ─ 新企画はすべて打ち切り、新体制で再編へ

米マーベル・エンターテインメントが、「エージェント・オブ・シールド」(2013-)など数々のテレビドラマを手がけてきた自社のテレビ部門「マーベル・テレビジョン」を正式に閉鎖することがわかった。今後、マーベルのテレビ事業は、これまで映画部門としてマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の長編映画を主に製作してきた「マーベル・スタジオ」に統合される。米Deadlineなどが報じた。
今回の決定は、2019年10月、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギが、マーベル全社のチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任したことによるもの。ファイギ氏は出版物・映画・テレビ・アニメーションなどのあらゆる作品に携わる予定で、これを受けて、マーベル・テレビジョンと、主にアニメ作品を担当してきたマーベル・ファミリー・エンターテインメントがマーベル・スタジオ傘下に収まることが伝えられていた。
マーベル・テレビジョンの閉鎖を受けて、現在進行している企画は今後も継続されるが、新たに企画されていたプロジェクトはすべて打ち切りになったとのこと。マーベル・テレビジョンの代表を務めていたジェフ・ローブ氏は、移行期間の間はマーベルに残留するが、その後は退社する予定。テレビ部門に所属していたスタッフは一時解雇(レイオフ)または再配属となる。

マーベル・スタジオのもとで企画が継続されるのは、2020年に米国放送される第7シーズンで完結する「エージェント・オブ・シールド」と、Huluとの共同製作によるドラマ「ヘルストローム(原題:Helstrom)」および4本のアニメシリーズ「ハワード・ザ・ダック」「ヒットモンキー」「ティグラ&ダズラー」「M.O.D.O.K.」(すべて原題)。 その他のドラマ作品については、いずれも2019年までに相次いで終了となっている。
今回の再編に伴い、マーベル・テレビジョンにて企画編成のシニア・バイス・プレジデントを務めてきたカリム・ズレイク氏のチームはマーベル・スタジオに合流。継続の決まっている上記のプロジェクトを引き続き指揮する。なお、「アベンジャーズ・アッセンブル」などのアニメ作品に携わってきたコート・レーンやマーシャ・グリフィンをはじめ、数々のドラマでプロデューサーを務めてきたマーク・アンブローズ、トム・リーバー、エイミー・カールソンらはレイオフの対象になったと報じられている。
なおマーベル・スタジオは、MCUの映画作品に登場したキャラクターを主人公とするドラマシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」「ワンダヴィジョン」「ロキ」「ホークアイ」(すべて原題)などを「Disney+」にて進行中。今後、いまやハリウッド屈指の剛腕プロデューサーとなったケヴィン・ファイギのもとで、マーベル発の映画&テレビ企画は全面的に見直されることになる。