マーベル・スタジオ、「世界で最も革新的な企業」に選ばれる ─ 「メディアの未来創り上げた」

マーベル・スタジオが、米経済誌ファスト・カンパニーの「世界で最も革新的な企業」トップ50に選ばれた。36業種、350企業の中から第11位に輝いた。同誌の見出しには、「ヒット作続出のマーベル・スタジオの思考法」との文字が踊っている。

ファスト・カンパニー誌は、作品に多様性をもたらすマーベル・スタジオの独自のアプローチを評する。『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)のタイカ・ワイティティ監督や、話題の『ブラックパンサー』(2018)ライアン・クーグラー監督など、マーベルは作品性に見合う実力が認められればフィルムメーカーのキャリアや知名度に関わらず採用する傾向があるのだ。同誌は、製作社長としてマーベル・シネマティック・ユニバースを指揮するケヴィン・ファイギ氏の信条的な発言を紹介している。


「スーパーヒーロー映画っていうのは、電話ボックスに駆け込んで、マントを着けて、銀行強盗をやっつけるものと思われがち。でも、もしコミックを読んでくれたら、そこには多様なキャラクターやストーリーテリングがあると気付くはずです。これが小説を原作をしているとなると、同じような偏見は持たれないんですよね。小説はこういうものだと理解が得られているからです。でも、様々な小説が存在するように、コミックも様々なものが存在する。我々が取り組んでいるのはそういうところで、遥かに大きなキャンバスに、このジャンルの様々な多様性を描いているのです。

『マイティ・ソー バトルロイヤル』タイカ・ワイティティや『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガンのようなコメディ・センスあるタイプから『ブラックパンサー』ライアン・クーグラーのような独自のスタイル持つ監督まで、その起用ジャンルは多岐にわたる。スタジオは、「宇宙映画を作ろうとか、学園モノ、犯罪映画、スリラー映画を作りたいよね、というように、異なる映画を作っていこうと考えています」とファイギ氏。こうした起用術は「ガイド役となるようなフィルムメーカー探し」なのだという。ファイギ氏による次の発言は、起用したフィルムメーカーに対し、作家性やクリエイティブを適度に委ねているであろう風通しの良さを感じさせるものだ。

「タイカ(・ワイティティ監督)が、あるインタビューでこう言っていました。良い例えだと思うんですが、曰くマーベル・スタジオは彼を非常に大きな船の船頭にしたというんですね。船が荒れる海を突き進んでいて、彼はこのまま氷山に突き進んでしまえば良いと思っている。本当にやりかねなかった!で、我々がこっそり“うん、ちょっと左に切った方がいいかも、そうすればぶつからないからね”と耳打ちしてくれる、ということだそうです。面白い話ですよね。」

 

『マイティ・ソー バトルロイヤル』のような脱力したコメディ要素も強いバトル・アクション作品から一変、次作『ブラックパンサー』では、黒人中心のキャストおよび製作陣によってストイックに産み出されたサスペンス性強い一作だ。ひとつの世界観の中で、これほどの多様性を打ち出しながら、そのいずれも成功に導いたマーベル・スタジオに対し、ファスト・カンパニー誌は「メディアの未来を創り出した」としてこの度の選出に至っている。

米経済誌ファスト・カンパニーは、「世界で最も革新的な企業」を年間最も注力する企画として発表しており、2018年版では第1位にアップル、2位にNetflixほか、10位内にはテンセント、アマゾン、Spotify、NBAなどの名だたる企業が選ばれている。11位のマーベル・スタジオは、12位のInstagram、13位Stich Fix、そして14位のSpace Xを押さえる順位となった。

Source:https://www.fastcompany.com/most-innovative-companies/2018
https://www.fastcompany.com/40525480/the-marvel-studios-mind-set-for-making-hit-after-hit

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THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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