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グザヴィエ・ドラン、最新作は「明るい」新境地 ─ 『マティアス&マキシム』実際の友人たちが友人役で登場

マティアス&マキシム
© 2019 9375-5809 QUÉBEC INC a subsidiary of SONS OF MANUAL

“映画界の革命児”グザヴィエ・ドラン監督最新作『マティアス&マキシム』が2020年9月25日(金)に公開される。デビュー作『マイ・マザー』(2009)、カンヌ国際映画祭審査委員賞『Mommy/マミー』(2014)、カンヌ国際映画祭グランプリ『たかが世界の終わり』(2016)などで映画界に旋風を巻き起こしてきたドランが、本作で挑んだ“新境地”を語った。

最新作『マティアス&マキシム』について、ドランは「これまでの作品と比べて、圧倒的に明るい作品に仕上がっています。ずっとそういう作品を作りたかったので、今までとはガラリと変えました」と一言。『マイ・マザー』『Mommy/マミー』など、過去作で大きな核となっていた“母と息子”というテーマから一転して、本作では“恋と友情”を描くのだ。

この変化を強力に支えたのが、ドランの友人たち。ドラン自らが演じるマキシムの友人役には、実際のドランの友人たちがキャスティングされた。「最大の違いは仲間の存在だと思う。みんなが同時にしゃべって、ジョークを言って、がちゃがちゃ話し続けている。全てを理解しなくても、観ているだけでいかに親密な関係かがわかるはず」とはドランの談。劇中で幼馴染みという設定の5人は、友人同士だからこその空気感を醸し出し、演技とは思えないほどの親密さを画面に滲ませるのだ。

マティアス&マキシム
© 2019 9375-5809 QUÉBEC INC a subsidiary of SONS OF MANUAL

過去のドラン作品は、自分と他者、自分と社会の隔たり、軋轢が描かれることが多かった。しかし、過去にはみられなかった“仲間”の存在や、ドランが意識したという“明るさ”は、観る者に爽やかで瑞々しい印象を与えることだろう。ドランが初めて描いた青春映画として、すでに本作は高い評価を受けている。

物語の主人公は、30歳の幼馴染み同士であるマティアスとマキシム。2人は、友人の短編映画で男性同士のキスシーンを演じたことから、互いへの気持ちに気づき始める。美しい婚約者のいるマティアスは、親友に対して芽生えた感情に戸惑いを隠せない。マキシムは友情の崩壊を恐れ、想いを告げぬまま、オーストラリアへ旅立つ準備をしていた……。

もちろん本作には、ドランによる繊細な心理描写も健在だ。お互いを見つめる目線、マティアスとマキシムの間に流れる時間、2人の気持ちを映像で魅せる演出は、デビューから10年を経て円熟味を増したドランだからこそ実現したもの。新たな挑戦をふんだんに取り入れつつも、ドランは本作について「友人たちとのジョークや笑い声より鮮明で、観客に大きな印象を残すのは、沈黙や互いを見つめ合う時間だろう」とも述べている。

映画『マティアス&マキシム』は2020年9月25日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー。

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THE RIVER編集部THE RIVER

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