トム・クルーズの来日がキャンセルとなった『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』、シリーズ皆勤賞かなわず ─ 次作では帰ってきて

2023年7月公開の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』は、トム・クルーズ主演の大人気シリーズの最新作だ。トムはフィジカルなプロモーションツアーにこだわる俳優で、本作でも日本でのイベントが予定されていたが、直前になってハリウッドのストライキが始まったために中止に陥ったという苦い出来事がある。
新日家のトムはこれまで何度もプロモーション来日しており、『ミッション:インポッシブル』もシリーズ1作目から皆勤賞だった。『トップガン マーヴェリック』のジャパンプレミア時(2022年5月)には、「来年の夏は『ミッション:インポッシブル』で戻ってきます」と宣言。実際に1年後、「来日は25回目ですが、いつも皆さんに会えるのがとても楽しみです」とのメッセージと共に、来日予定が発表されたのだが……。

2023年6月19日(現地時間)はイタリア・ローマでワールドプレミアが開催され、トムは共演者やクリストファー・マッカリー監督らと揃って登場。これを皮切りに、ロンドン(6月22日)、アブダビ(26日)、ソウル(29日)、シドニー(7月3日)、ニューヨーク(10日)でプレミアイベントが続々と開催。このツアーでは、17日のジャパン・プレミアが最終地となるはずだった。

作品宣伝からは来日プレミアイベントの取材やキャストへのインタビュー実施の案内も届いており、イベント会場も抑えられている状態だった。ところがこの直前である13日(現地時間)になって、全米映画俳優組合のスト入りが決定。全米映画テレビ製作者協会との間で行われていた契約交渉が着地しないためのものだった。
スト期間中、所属俳優は一切の業務が禁じられるため、プロモーション稼働も不可に。当時、ストライキ突入は濃厚で、秒読み状態となっていた。日本の関係者たちは「やはり」と「まさか」が入り混じる思いだっただろう。日本時間14日になると、トム・クルーズの来日中止が配給の東和ピクチャーズより正式に発表された。予定日3日前の急転直下となった。
ストライキ突入当日、ベンジー役のサイモン・ペッグは「日本に行くこともできなくなりました。僕たちの来日を待ってくれていた日本のファンの皆さんには申し訳ないです」とSNSに寂しげな動画を投稿した。
ジャパンプレミアが行われるはずだった17日には、トム・クルーズ本人からの撮り下ろしビデオメッセージが公開。ストライキ突入直前に撮影された映像の中で、トムは「また日本に行きます。それまでは映画館でお会いしましょう」とにこやかに伝えた。
この動画では、トムの “Hello everyone” “I’ll be there soon”との発言が、テロップでは「日本の皆さん」「また日本に行きます」と訳されたことから、一部では、「トムは“日本”とは一言も言っていない」「汎用の映像を無理やり日本向けに見せかけたのではないか」との批判的な疑惑が浮上。実際には、トムが日本のために特別に撮影したもので間違いないことが確認されている。
次回トムに会えるチャンスは、『デッドレコニング』の続編となるだろう。本作もストライキによって長い延期を経験しており、現時点では2025年5月23日の米公開予定とされている。本作をもってトム・クルーズのイーサン・ハントの物語が終了すると伝えられているから、来日の際は格別な思いと共に日本の地を踏むこととなりそうだ。
コロナ禍やストライキと、過去数年は全く想像できない出来事に見舞われた。『ミッション:インポッシブル』次作は、無事に公開されることを願うばかりだ。
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