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映画『見栄を張る』藤村明世監督、主演・久保陽香さん独占インタビュー【2016年SKIPシティアワード受賞作】

自分のお葬式に泣き屋を呼びたい?

仮に泣き屋という職業が今も日本に普及しているとして、自分の葬式に泣き屋を呼びたいと思いますか?

藤村:ああ、本当の泣き屋さんはいいかな。途中のあのサクラの泣き屋(※)が出てきたら面白いと思いますね(笑)
(※本編に、大げさに泣く演技をする別の泣き屋が登場する。)

久保:私も身内だけでいいです(笑)

「見栄を張る」に込められた様々なメッセージ性

泣き屋という、『死』と『涙』を扱っているという事で一歩間違えるとダークな作品になりかねないものだと思うのですが、作風はそこまで暗いという印象を感じませんでした。作品を作る中で暗くなりすぎないように注意した部分はありましたか?

藤村:最初企画した時からこの作品は暗くなるなと思いました。第一稿を書いた時もかなりシリアスでしたし。ただ作品の中には1つはユーモアを入れたいと自分で決めていたので、途中に登場するサクラの泣き屋を入れたんです。主演が久保さんに決まって、こんなに綺麗な顔なのに表情豊かな彼女の助けもあって、ちょっとはポップに寄せられたかなと思います。

今作では見栄、泣き屋、そして夢というテーマがありましたが、実は最初鑑賞時には絵梨子は泣き屋として田舎で生活をするものだと思っていました。絵梨子がまた東京に戻るというシナリオは当初から決めていたんですか?

藤村:最初プロットを考えていたときには、あまり夢というのを軸にはしておらず、むしろ夢がない人を書いていたんです。ですがあまりうまく書けなくて、そこで夢に迷っていた自分の経験を投影して落としこんだら書きやすくなったので、これでいこうと思いました。そして絵梨子にはもう一度東京で頑張ってほしいなと思い、そのタイミングで(東京に帰るシナリオを)決めました。

私も20代後半でストーリーを見ていて共感するところがたくさんありました。夢に向かって長年頑張っているなかで停滞してしまった絵梨子の心情を踏まえた中で、久保さんから同世代の方で頑張っている方に伝えたいメッセージはありますか?

久保:お〜、大きいですね、まさかの…。すみません真っ白になってしまいました(笑)ほんとにシンプルな感じになってしまうんですが、諦めずに頑張ってください!

実は鑑賞後ずっと気になっているんですが、絵梨子は成功すると思いますか?頑固に凝り固まったキャラクターの彼女のこの先が知りたくなっちゃって。

久保:それは知りたいですねえ。

監督のなかでありましたか?絵梨子はこの先どうなるんだろうっていうのは。

藤村:成功はしてほしいんですが、あまり詳しくは言いたくないですね。皆さんの中で想像していただければ嬉しいです。

久保:私は東京に帰ってたとえ成功しなかったとしても、以前とは生き方が変わっているかなと思います。今までが中途半端で周りに左右されてしまっていた分、自分の気持ちを持って帰って行ったのが(彼女の)成長かなと思います。

今後撮りたい作品について

高校時代に知った泣き屋という長年あたためにあたためていたテーマを扱ったわけですが、インタビュー前の上映後に行われたQ&Aの中で、監督はもっとダークなものを見せたいと話していました。仮に今テーマとして描きたい「職業」のイメージはあるのですか?

藤村:あります。まだ構成は全然考えていないのですが、「死体洗い」の仕事が気になっていて。珍しい職業は気になってすぐ映画にしたいなと思うんです。また女性を主役にしたりとか。

そこでも生死に関わる職業にスポットが当たっているのが面白いですね。

藤村:そうですね、確かに!

久保さんはまた長編に出演するにあたって、演じたい職業はありますか?

久保:え〜、死体洗いですかね?(一同笑)
でもまた(藤村監督とは)ご一緒したいなと。

藤村:ぜひぜひ!

 


 

丁寧に言葉を選びながら、女性らしい細やかさで作品への思いを語ってくれた藤村明世監督。

そして地元の関西弁を交えながら、監督も魅了された豊かな表情で等身大の言葉を聞かせていただいた主演の久保陽香さん。

今回のSKIPシティアワードの受賞を受け、この作品が今後も多くの方の目に止まる事を願っています。おふたりとも、今回はありがとうございました。

mie

映画『見栄を張る』

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016『SKIPシティアワード』受賞作品。
“泣き屋”という、今は存在しない職業を題材に、誰もが抱えている不安や、そしてタイトルにもある“他者への見栄”を描いた本作は、シネアスト・オーガニゼーション大阪の助成により製作され、今年の大阪アジアン映画祭でワールド・プレミアされた。本映画祭での上映が関東初、コンペティションでの上映も初めてとなる。藤村明世監督はニューシネマワークショップの実習作品『彼は月へ行った』(14)が第36回ぴあフィルムフェスティバルなどで入選、本作で初の長編作品に挑んだ。姉の死を機に“泣き屋”を始める主人公を「めちゃコミック」CM出演のほか、『INNOCENT15』(15)など、多くのインディーズ映画でも活躍する久保陽香が演じている。(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016 公式サイトより

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016

期 間:2016年7月16日(土) ~ 7月24日(日) 9日間
会 場:SKIPシティ 映像ホール/多目的ホール ほか 〔埼玉県川口市上青木3-12-63〕
主 催:埼玉県、川口市、SKIPシティ国際映画祭実行委員会、特定非営利活動法人さいたま映像ボランティアの会
公式サイト:http://www.skipcity-dcf.jp/

 

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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