「マインドハンター」シーズン3は「もしかすると5年後に」 ─ デヴィッド・フィンチャー、Netflixが製作保留の現状語る

鬼才デヴィッド・フィンチャーが手がけるNetflixシリーズ「マインドハンター」の今後について、フィンチャー監督が初めて口を開いた。本作は2017年にシーズン1、2019年にシーズン2が製作されたのち、“無期限製作保留”となったと報じられていた。
「マインドハンター」は1970年代を舞台に、FBI行動科学課の特別捜査官たちが連続殺人鬼のプロファイリングに挑むスリラードラマ。ノンフィクション『マインドハンター FBI連続殺人プロファイリング班』(早川書房)を原作に、『セブン』(1995)『ファイト・クラブ』(1999)などで知られる名匠フィンチャーが監督・製作総指揮を担当。『ゾディアック』(2007)以来の“実話事件もの”として人気を博した。
米Vultureにて、フィンチャーは「『マインドハンター』はとても大きな作品だった」と語っている。「3年くらい費やしましたから。ずっとやっていたわけではなかったけれど、年に6~7ヶ月くらいはやっていました」。それゆえフィンチャーは、シーズン2を作り終えた際に燃え尽きてしまったらしい。
「(シーズン2では)最初に書かれた脚本が気に入らなくて、すべて一からやり直すことにしました。だから週に90時間くらい働いたんですが、それに生活をすべて持っていかれたんです。終わった時には本当に疲れ切っていて、“すぐにシーズン3のことは考えられないかもしれない”と言いました。」
Netflixもこれに異論を唱えず、フィンチャーは「マインドハンター」シーズン3の代わりに、『ゴーン・ガール』(2014)以来となる新作映画『Mank/マンク』に着手。製作総指揮を務めるNetflixオリジナルアニメ「ラブ、デス&ロボット」シーズン2にも取り組むため、「マインドハンター」の製作を無期限保留とする判断が下されたのだ。2019年12月、ジョナサン・グロフやホルト・マッキャラニーら出演者たちは契約から解放されたという。
では実際のところ、「マインドハンター」はどうなるのか。フィンチャーは「『Mank/マンク』を完成させた時にどんな気持ちになっているかだ、と言っていました」と語りつつ、予算という現実的な問題にも触れている。「視聴率の割にはすごく予算のかかる作品でした。[中略]だけどシーズン2以下の予算でやれるとは思いません。あるところで、お金のことは現実的に考えなければならないんですが」。
今回、フィンチャーは「マインドハンター」がシーズン2をもって終了することを認めてはいない。製作費の課題があることは示唆しているが、『Mank/マンク』を完成させた現在のモチベーションも語っていないのだ。“シーズン2で終わりだと認めているかのようだ”と記したのはVultureの記者であって、当人の心境を明確に判断することはできない。
事実、Netflix側も「マインドハンター」の今後について可能性を閉ざしていない。取材に対して広報担当者は、シーズン3が近く実現する予定でないことを認めながらも「もしかすると5年後に」とコメントしたのだ。製作の無期保留が決まった当時と、「マインドハンター」をめぐる状況はさほど大きく変化していないとみるべきだろう。
Netflixシリーズ「マインドハンター」シーズン1・シーズン2は独占配信中。
Source: Vulture