【ネタバレ】『モービウス』監督、ライミ版スパイダーマン壁画シーンの真相を語る

この記事には、『モービウス』のネタバレが含まれています。
本編ではカットされていたライミ版スパイダーマンの真相
映画『モービウス』の予告編では、囚人服姿の主人公マイケル・モービウス(ジャレッド・レト)が裏路地のような場所を逃走するように駆けるカットがあった。その背後に、「MURDERER(人殺し)」との文字と共にサム・ライミ版デザインのスパイダーマンの壁画が描かれており、ファンの間で大きな注目を集めていた。
この壁画は、『モービウス』のユニバースがサム・ライミ版の世界、あるいは全く別の世界に属している可能性を示唆していた。しかし、「人殺し」の落書きはMCU『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でのミステリオ殺人容疑の設定を受け継いでいるとの見方も、同時に成立した。加えて、ややこしいことに、予告編映像内でモービウスが「俺はヴェノムだ」とも発していたことから、同作が『ヴェノム』ユニバースと同じであるとの見方もあった。
つまるところ予告編の段階で、『モービウス』は「サム・ライミ版ユニバース」「マーベル・シネマティック・ユニバース」「『ヴェノム 』のユニバース」「『モービウス』独自のユニバース」のいずれに属するのかが不明瞭で、それゆえファンは劇場公開に注目していたのだ。
しかし日米公開を迎えた本編では、なんと予告編にあったライミ版スパイダーマン壁画のシーンはカットされていた。なぜ、あの予告編では思わせぶりなシーンが含まれていたのか?一体どういう意図でライミ版スパイダーマンの壁画が用意されていたのか?そして、なぜ本編では見られなかったのか?監督のダニエル・エスピノーサは、米CinemaBlendで衝撃的な答えを語っている。
「あの映像は予告編だけのものです。私は、監督として映画を作ったまでです。私もファンとして、これについて思うところはいろいろあります。でも、本編には取り入れませんでした。そして予告編を作ったのも私ではありません。
ですから、これについて私が言えることといえば、ファン目線のことしかありません。監督だから、何か知ってるはずだろうと責められるかもしれませんけどね。でも、知らないんですよ。知ってることがあれば、言ってますからね。
あれは私のやったことじゃない。私のアイデアじゃないんです。私も誠実に、責任感を持ってお話ししたいんですが、無理なんです。私のやったことじゃありませんから。」
作品の監督にして、意図しない形で予告編映像にミスリードを挿入されていたのだとすれば、それは製作者として気の毒にも思えるが、米ソニー・ピクチャーズは『スパイダーマン』ユニバースを盛り上げたい一心で、監督の了承なく独自に壁画シーンを差し込んだのだろう。スパイダーマンに関する映像表現を取り入れたかったが、MCU版のデザインは権利上の都合で使用できなかった、という裏事情も推測できる。
本編ではマイケル・キートン演じるバルチャー/エイドリアン・トゥームスが本編終了後にカメオ出演したが、予告編ではあたかも本編に深く関わるように紹介されていたのも、ソニーによるマーケティング手法のためだったのかもしれない。これら事前プロモーションは興行上の功を奏し、『モービウス』は全米で週末初登場1位。2位の『ザ・ロストシティ』(公開2週目)からは倍以上の興行収入を叩き出している。
なお、対スパイダーマンの展開については、『ヴェノム』2作や『モービウス』、そして『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』劇中での示唆が始まっている。スパイダーマンのヴィランが集結する悪のチーム「シニスター・シックス」映画企画が実現したら、今度こそスパイダーマンの登場に期待したいものだ。マルチバースが開いた今であれば、トビー・マグワイアやアンドリュー・ガーフィールドのスパイダーマンが再び登場する、なんて大胆な展開もありえるかもしれない?
『モービウス』は大ヒット公開中。
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Source:CinemaBlend