『オッペンハイマー』ノーラン監督、次は「そこまで暗くない」映画を作りたい?

映画監督クリストファー・ノーランといえば、作品ごとに主題こそ異なれど、一貫してシリアスな題材を扱ってきた監督だ。最新作『オッペンハイマー』(2023)では原子爆弾の開発が描かれ、海外での公開後には様々な意見が飛び交った。
『オッペンハイマー』以降の次回作は未定だが、例えばロマンティック・コメディなど、明るい題材の物語を手がけたいという気持ちはノーランにはないのだろうか? 米Yahoo!がこの質問を本人に投げかけると、意外な答えが返ってきた。
「(『オッペンハイマー』の)物語と区切りをつけたいと思う自分もいます。自分の作った映画についてこうして話をしたり、4Kやブルーレイを家で見てもらえたりするのは非常に特別なこと。映画の成功について話せるのも素晴らしく、大きすぎる特権です。その一方、主題はとても暗いものです。虚無的というか。なので、前に進み、そこまで暗くないものを作りたいと思う自分もいますね。」
以前ノーランは、映画作りの前提条件として、「監督、脚本家として、何をするにしてもそれが完全に自分のものでなければいけない」と語っていた。今回、ノーランは作品のテーマを選定する際の心構えについても言及し、10代の息子とかつて交わしたという会話を思い起こしている。
「16歳の息子に、当時私が取り組んでいた題材について初めて話した時、“誰もそのことについて考えてもいないよ”と言われました。数年前のことです。“そんなこと気にしていないし、今の人が注目していることじゃない”と。その時、私は“それが映画を作る理由なのかもしれないな”と伝えました。[中略]
思うに、私にとって映画とは何よりもまず──(『オッペンハイマー』のような)こうした題材に使うのは変な言葉ですが──エンターテインメントでなければいけません。それがホラー映画であれロマンティック・コメディであれ、観客と関わり合わなければいけないのです。観客を引き込むような物語を与えなければ。」
次回作について「何に対してもオープンです」と語っていたノーラン。それがどのような題材であれ、最高の“エンターテインメント”が待っているに違いない。
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Source:Yahoo Entertainment