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【ネタバレ】『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』冒頭シーン、『IT/イット』から着想得ていた

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
Credit: Nicola Dove © 2019 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

この記事には、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のネタバレが含まれています。必ず本編を鑑賞してからお楽しみください。

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
© 2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

該当のシーンは、キャリー・フクナガ監督の言葉を借りると「プレタイトルシークエンス」に登場する。シリーズ恒例、主題歌と共に登場するオープニングシーンの前に描かれる冒頭シーンのことだ。つまり『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、マドレーヌが幼少期を思い返していた回想シーンを指している。

『IT/イット』に着想を得る前に、プレタイトルシークエンスでフクナガ監督が実現したかったのは、伝統のアップデートだった。米Wall Street Journalでフクナガ監督が、歴代『007』シリーズのプレタイトルシークエンスについて、「チェイスシーンとか暴力とか、セックスのようなもので詰まった使い捨ての場面として使われてきました」と指摘するように、冒頭のシーンはボンドの“現在”を伝えるようなアイスブレイク的な役割として機能してきた。

しかし、フクナガ監督は、たとえ伝統を覆すことになっても挑戦したかった新たな試みがあったのだ。『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の冒頭では、ラミ・マレック演じるサフィンに襲われた幼きマドレーヌが体験した悲劇が描かれた。殺された家族の仇を打つべく、首謀者のミスター・ホワイト宅に侵入したサフィンは、不在のホワイトの代わりにマドレーヌの母親を銃殺。隠れていたマドレーヌにも襲いかかった。

謎に包まれたマドレーヌの過去を、インパクト最大限に伝えた『ノー・タイム・トゥ・ダイ』のプレタイトルシークエンスは、歴代シリーズに比べると異色を放っていた。同シーンについて「スローペースで視覚的に目を引き、フランス語の会話に字幕がついた、全くもってボンドらしさから解放されている場面」と形容するフクナガ監督。その言葉通りの映像体験は、観客にも伝わったはずだ。

そして、フクナガ監督に言わせると、「家の中で、ピエロみたいなヤツが子どもを追いかけ回している」状況こそ、『IT/イット』から影響を受けたテイストだったという。母親を懸命に起こそうとするマドレーヌが視線を外に向けると、能面をかぶったサフィンが立っていたシーンなんかも、排水溝を覗き込んだジョージの前にペニーワイズが現れる瞬間を想起させるものがあった。

フクナガが『IT/イット』らしさを参考にしたのは、当然といえば当然のこと。2017年公開の第1作『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』で、フクナガは脚本を務めているからだ。さらに言えば、当初フクナガは監督としても起用されていたが、製作側との間に創作上の相違があったことを理由に降板していた。ホラーの帝王スティーブン・キング原作の映画『シャイニング』(1980)風に仕上げたかったのだという。

言われてみれば、雪景色のなかに孤立した建物という情景描写などからも、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』の冒頭シーンは『シャイニング』らしさを帯びている。もしかするとフクナガ監督は、『IT/イット』では実現できなかったアイデアを織り交ぜたのかもしれない。

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Source: Wall Street Journal

Writer

SAWADA
SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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