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『オッペンハイマー』海外最速レビュー、「ノーラン最高傑作」「完璧」との声多数 ─ キリアン・マーフィー、ロバート・ダウニー・Jr.にも絶賛

クリストファー・ノーラン
HellaCinema https://commons.wikimedia.org/wiki/File:DunkirkFilmGearPatrolLeadFull.jpg

『オッペンハイマー』には懐疑的でしたが、先週観て以来、この映画が私の心を捉えて離しません。確かに3時間ありますが、スコセッシ的な濃密さで、ラスト20分(これこそエミリー・ブラントが出演を引き受けた理由でしょう)が、3つの物語を感動的な結末に導くのです。

キリアン・マーフィーは期待通り(文字通りの意味ではなく、彼はとても良い)ですが、ロバート・ダウニー・Jr.が素晴らしく、これが5年ぶりの映画であることが悲しく思えるほど。エミリー・ブラントは──この言い方で申し訳ないけれど──煽情的で(助演女優賞ノミネート候補でしょう)、マット・デイモンは『AIR/エア』に続き素晴らしい演技を披露している。キャスト全員が素晴らしく、ラミ・マレックとゲイリー・オールドマンは小さな役ながら見事で、フローレンス・ピューは登場する20分間を自分のものにしている。

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そして軽々しく言うべきではないが、ルドウィグ・ゴランソンの音楽はそれ自体が傑作。サウンドトラックは1時間半の長尺になるらしい。そう、(興行収入が好調なら)多くのノミネートが期待されることでしょう。では、この映画はクリストファー・ノーランの最高傑作か? まだ思案しているところです。」(Gregory Ellwood、The Playlist)

「『オッペンハイマー』は、一部は原子爆弾を、また大部分はいかに我々が絶望的であるかを描いた、濃密で、饒舌で、緊張感のある映画だ。楽しい夏だ! キリアン・マーフィーもいいが、助演が欠かせない。マット・ デイモン、ロバート・ダウニー・Jr、オールデン・エアレンライクはギャグさえ取り入れている。大胆で、独創的で、複雑な映画で、観客を揺さぶる映画だ。欠点は女性の扱いが悪いことで、エミリー・ブラントがストレスフルな母親役から抜け出せたのは一度だけ。それでも『メメント』『プレステージ』と並んで、私のノーラン作品トップ3に入る作品だ。」(Jonathan Dean、The Sunday Times)

「パワフルな作品だ。キリアン・マーフィーの演技は非の打ち所がなく、異次元で、映画賞の受賞にふさわしい。豊かなアンサンブルの誰もが最高の演技を見せている。クリストファー・ノーランの非凡な仕事は心に残るものだし、ホイテ・ヴァン・ホイテマによるビジョンの取り組みは息を呑むほどの出来。長尺だが無駄が一切なく、充実した物語のペースは完璧。(出演者から)素晴らしかった一人を選ぶのは難しいけれど、ロバート・ダウニー・Jr.とオールデン・エアエンライクは素晴らしく、相性がとても良い。音響と美術、そして音楽も申し分ない。」(Simon Thompson、ジャーナリスト)

「『オッペンハイマー』はあらゆる意味で驚異的だ。『インセプション』や『ダンケルク』、あるいは『TENET テネット』でもないノーランの映画にこんなことを言うのは変かもしれないが、これはノーラン史上最も大胆な形式の作品と言える。鋭い脚本、完璧なサウンドデザイン、そしてキリアン・マーフィーの存在感。15分ごとに新たなスターが登場してくるあたりから、大笑いするほど不条理になる。しかし誰よりも、主役は『ゾディアック』モード全開のロバート・ダウニー・Jr.だ。

冗談抜きで、この作品の音響は、それだけで映画館で見る正当な理由になる。ノーラン史上最もダークで重い映画だが(この映画が原爆賛成で終わると本気で思っている人がいるなんて信じられない)、なぜか彼史上最も笑えてウィットに富んだ映画だ。いずれにせよ、彼がまだ新しいトリックを学んでいるのを見られるのはとても興奮する。」(Jeremy Mathai、Slash Film)

映画『オッペンハイマー(原題:Oppenheimer)』は2023年7月21日に米国公開予定

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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