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『ワンハリ』小説版は「再び書き直したもの」タランティーノ、5年費やす ─ 「クリフの過去を語るだけの章」も

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
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レオナルド・ディカプリオ&ブラッド・ピットが初共演を果たした映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)は、クエンティン・タランティーノ監督が1960年代のハリウッドへの愛を綴ったラブレター的1作。本作には20時間版が存在するなど、世に出ていない『ワンハリ』ワールドはまだまだたくさんある。そんな知られざる『ワンハリ』の世界が、タランティーノ監督自らが筆を執るノベライズ本で明かされることになる。

ノベライズ本と聞くと、基本的には映画版の内容と同じイメージだが、タランティーノ監督が本書で描くのは、映画版から大きく拡大した世界。米ポッドキャスト番組にて、タランティーノ監督が本書にかけた思いを語っている。

単に脚本を取り出して、小説形式に噛み砕いたものではありません。小説として物語を再び書き直したのです」。ノベライズ本についてそう語るタランティーノ監督は、「物語全体を再検討しました。編集室に残されていたいくつかのシーンを投げ出したようなものではなく。すごくたくさんの調査を行いました」と説明している。

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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のノベライズ化が決定したのは2020年11月。この時から、小説版は「映画の単なる写しとはならず、オリジナルの物語を更に拡大したものになる」と伝えられていた。映画に登場した俳優リック・ダルトン(ディカプリオ)とスタンドダブルのクリフ・ブース(ピット)の人生の過去と未来も綴られるという。

タランティーノ監督が『ワンハリ』のストーリー構築・執筆に費やした年月は5年に及ぶ。「自分で書いて掘り下げたものでも、映画に組み込みようがないのでちゃんと清書したことがないようなものはたくさんあります」とタランティーノ監督。小説版が網羅する膨大な世界を、映画ではリック・ダルトンのスタントマンとして描かれたクリフ・ブースを例に取りながら予告している。

「映画でのクリフは本当に謎を秘めた人物です。“何だあいつ”って思った方もいるでしょう。本の中には、“この章ではクリフの過去が語られます”というような独立した章があります。過去にさかのぼって、ある時点でのクリフのことが語られるんです。そして、通常のストーリーを進めていきながら、さらに過去にさかのぼってクリフの過去を綴る章がまた出てくる。クリフの過去を語るだけの章は、まるでクリフを主人公とした奇妙なパルプ小説のようなものです。」

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のノベライズ本は、2021年6月29日米刊行予定。なお同日には、全11時間に及ぶオーディオブックも発売される。ナレーションは、『ヘイトフル・エイト』(2015)でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたジェニファー・ジェイソン・リーが務める。

Source: Pure Cinema Podcast

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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