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『パラサイト 半地下の家族』、『マッドマックス』から影響を受けていた ─ ポン・ジュノ監督が語る共通点とは

パラサイト 半地下の家族
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第92回アカデミー賞にて外国語映画史上初の作品賞という快挙を成し遂げた『パラサイト 半地下の家族』(2019)は、アカデミー賞を同じく総なめにした『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)から影響を受けていたのだという。

IndieWireによると、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』について、『パラサイト 半地下の家族』の監督、ポン・ジュノは「素晴らしいです。あの映画を観て泣きました」と感動している様子とのことだ。その理由は「砂嵐に車が巻き込まれていくと音楽が激しくなり、自分の魂も高まっていくような気がしました。そしたら、目から涙が溢れましたよ」という。

作品に感動した理由は十分に理解できるが、荒廃した砂漠で繰り広げられる、カーチェイスなどのアクションが魅力の同作と、韓国の貧困層一家と富裕層一家という相反する家族の悲喜劇を描いた『パラサイト 半地下の家族』との共通点は何なのか。ポン・ジュノ監督は、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』について「あの映画は止まることがありません」と語っている。

「背景にある情報は実に自然に表現されています。カメラは常に動いていますが、アクションを通じて物語が説明されていくのです。インスピレーションを貰いましたよ」。

ポン・ジュノ監督が影響を受けたという要素は、確かに本作でも存分に垣間見られる。格差など韓国における社会問題といったメインテーマは、会話の中だけでなく、計算され尽くした背景作りなどでも表現されているのだ。例えば、窓の仕切りや冷蔵庫、家の柱などで登場人物が線引されている。これは貧困側と富裕層側を表現するために使用されている演出と思われ、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』と同じように、背景で情報を自然に説明するという点に繋がっているのだ。

また、「止まることがない」をストーリーのペースとして考えた時、その要素は本作にも確かに存在する。全員失業中の貧しい家族4人が、富裕層の家に就職先として寄生していく予測不可能な物語は、休む間もなく展開されるのだ。表現している要素や物語は違えど、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の影響を受けたことは間違いないだろう。

Source: IndieWire

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THE RIVER編集部THE RIVER

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