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『哀れなるものたち』マーク・ラファロ、「オスカー・アイザックに役を奪われちゃう」と怯えていた ─ ウィレム・デフォー、本当にアイザックを連れてくる

哀れなるものたち
©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

エマ・ストーン主演『哀れなるものたち』で、ゴールデングローブ賞の助演男優賞候補となり、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞では見事助演男優賞に輝いたマーク・ラファロ。本作ではアカデミー賞へのノミネートも期待されているほどの名演を見せているものの、本人は撮影中、「クビにされるのではないか、オスカー・アイザックに役を奪われるのでは」と怯えていたという。

本作でラファロが演じるのは、主人公のベラと駆け落ちする弁護士のダンカン・ウェダバーン役。送られてきた脚本を読み、「とても素晴らしいと思った」というが、イギリス訛りの英語を話す役柄も、19世紀のロンドンを舞台にした映画も初挑戦。おまけにヨルゴス・ランティモス監督の大ファンとあって、出演を引き受けるまでには葛藤があったという。

「正直に言うと、自分の能力を疑っていたし、怖がっていました。僕がやらないほうがいいんじゃないかとヨルゴスに話したこともあったんです。“ホアキン(・フェニックス)ならどんな役でもできると思うから……”なんて言ったこともあったかも。だけど、彼は“あなたにやってほしい”と言うんです。」

共演者のウィレム・デフォーは、「リハーサル中、マークはずっと“やりすぎの演技になっていないか、僕はミスキャストでは”と言っていた」と話す。その怖がりようは共演者の間でも話題になっていたそうで、ラファロいわく「オスカー・アイザックに役を取られるんじゃないかと周りにからかわれていた」とか。その時、アイザックは偶然にも隣のスタジオで撮影をおこなっていたのだ。

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ラファロにイタズラを仕掛けたデフォーは、「彼(ラファロ)を安心させてあげたいと思ったけれど、ちょっと怖がらせてやりたくて」と振り返る。「ある日、マークから“オスカー・アイザックがいたんだけど、もしかして僕の代わりってこと?”と言われたんです。だから、その次の日にオスカーに来てもらいました。ランチの時間にラファロのところへ行って、“代わりに僕がやるから”と伝えるという(笑)」

このイタズラはしっかりと決行され、ラファロはアイザックから「やあ、申し訳ないけどうまくいかないようだから」と話しかけられたそう。デフォーは「あれはいい悪ふざけだった」と笑顔だ。

ラファロ本人は自らの演技を相当心配していたようで、そのイタズラが本当にジョークだという確信を持てない瞬間もあったそう。初めて大劇場の舞台に出演する仕事に臨んでいた時、初日の1週間前に解雇された記憶が蘇ったというのだ。「あれは文字通りのトラウマになった。だから壁にぶつかるたび、いつも“もうダメだ、クビだ”と思うんです」

もっとも、ラファロは「もしも誰かに役を奪われるのならオスカーがいい」とも述べている。「それなら理解できるから」と。

映画『哀れなるものたち』は2024年1月26日(金)公開

Source: Variety, Esquire

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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