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【解説】ロバート・ダウニー・Jr.のドクター・ドゥーム役でMCUどうなる?『デッドプール&ウルヴァリン』での伏線とマーベルの狙い

アベンジャーズ/ドゥームズデイ
(C) 2024 MARVEL.

このページには、『デッドプール&ウルヴァリン』のネタバレが含まれています。

デッドプール&ウルヴァリン
(c) MARVEL 2024

公開中の映画『デッドプール&ウルヴァリン』では、デッドプールとウルヴァリンが神聖時間軸から逸脱した人やモノが送られる形而上学的な廃棄場、“虚無の地”に落とされ、そこでチャニング・テイタム版のガンビットと出会うという展開がある。テイタムもかつてガンビット単独映画の主演として内定していたが、企画がお蔵入りになるという憂き目にあっていた。

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つまり『デッドプール&ウルヴァリン』では、“実現しなかった幻のキャスティング”が虚無の地で人知れず生きているというメタ的な設定を可能にしたのだ。これに倣えば、ロバート・ダウニー・Jr.がキャスティングされていた世界線のドクター・ドゥームが剪定され、カサンドラ・ノヴァがそうしていたように、虚無の地で独自の王朝を築いているかもしれない。ドゥームはその支配国家をラトベリアと呼んでいるという可能性すらあるだろう。トム・クルーズの姿をしたトニー・スタークと戦っているかもしれない。現時点で、虚無の地がどれくらいの広さであるのかはよくわかっておらず、あの世界の地政学は探究の余地がある。

ダウニー・Jr.版のドゥームがどのような形で登場しようとも、マスクの下の素顔がトニー・スタークと同一であるということは、いくらなんでもスルーのしようがない。おそらくデッドプールやシー・ハルクに思い切りイジらせることで、観客の抱く気持ちをうまく解消させることだろう。

例えば劇中で、スパイダーマン/ピーター・パーカー(トム・ホランド)の前でそのマスクが剥がれ、正体がスタークさんそっくりの男であることにピーターが衝撃を覚えるというのはどうだろう。『スター・ウォーズ』ダース・ベイダーのような名場面となるかもしれない。

いまやオスカー俳優となったダウニー・Jr.は、果たしてどれほどマスクを着用したまま演じるつもりだろうか。仕事は選び放題であるダウニー・Jr.が、数年は時間を費やすことになるであろう『アベンジャーズ』の悪役を引き受けたのには、旧友ケヴィン・ファイギやルッソ兄弟からの頼みであるということ以外に何か魅力的な理由があったはずだ。

演技の世界においてマスクを被ったキャラクターには、『怪傑ゾロ』のゾロ、『オペラ座の怪人』のエリック、『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクターなど歴史に名を残す象徴的な人物がいる。サンディエゴ・コミコンの壇上では、ドゥームは「全コミックの中で最も複雑なキャラクターのひとり」と紹介されていたが、ダウニー・Jr.は覆面でのパフォーマンスということについて、挑戦すべき、更新すべき指標があると睨んだのではないか。

なお、ダウニー・Jr.がドゥーム役を演じるというのは、他の俳優たちにとっても青天の霹靂だったようだ。この発表がなされた「ホールH」に先に登場していたキャプテン・アメリカ役のアンソニー・マッキーはレポーターにこのニュースを聞かされて絶句。同じく『サンダーボルツ*』のため登壇したエレーナ役のフローレンス・ピューも衝撃のあまり硬直し、「知らなかった……」と漏らしている。

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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