キャプテン・アメリカ役を2度断ったクリス・エヴァンスを説得したロバート・ダウニー・Jr.、電話で何と言ったのか?

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)でキャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースを演じたクリス・エヴァンスは、ケヴィン・ファイギからのオファーを、2度も断っていた。当初提示された契約では映画9本への出演が義務付けられており、名声を恐れたためという。
結果的に、エヴァンスはカメオ登場&クレジット無しの作品を含めると計11のMCU映画に出演した。この度米Vanity Fairで当時を振り返ったエヴァンスは、2度も断った役を引き受ける覚悟に最後の一押しを加えたのが、ロバート・ダウニー・Jr.その人であったことを、会話の内容と共に明かしている。
「このオファーは、誘惑の典型じゃないか。最大級の規模で究極の仕事のオファー。僕はこういうモノにノーと答えるべきなんだ」。オファーへの返答猶予を1週間与えられたというエヴァンスは、こう自問自答したという。「そうするのが正しいと感じました。写真やコスチュームを見てカッコいいと思いました。でも、ノーと答えた次の日の目覚めは良かったんです。しかも2回とも」。
プライバシーを重んじるエヴァンスが恐れたのは、名声を得るかわりに自由を失うことだった。基本的に、「作った映画がヒットすれば、多くの自由が手に入る。人生が変わっても、休みを取ればいいし、最悪逃げてしまうこともできる」というスタンスのエヴァンスだが、マーベルからオファーされた契約ではそうはいかなかったのだ。
こうしてオファーを蹴ったエヴァンスに、一本の電話がかかってきた。声の主はアイアンマン/トニー・スターク役のロバート・ダウニー・Jr.だった。ダウニー・Jr.は、このオファーは自分の活動を制限するものではなく、俳優としての機会を増やしてくれるものだと言い、エヴァンスを説得したという。映画出演の契約本数も9本から6本に減らされることとなり、遂に覚悟を決めたのだった。エヴァンスは「自分が一番恐れていることこそ、実際にやらなければいけないんだと思います」と当時の決断を振り返っている。
それでも、不安はエヴァンスにつきまとった。「僕は死刑執行令状にサインしてしまった。これで人生も終わりだ。こんなことをしてしまったなんて。こんなキャリア、望んでいなかった」。『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)製作中のエヴァンスは恐怖や自己嫌悪に苛まれたそう。
「一番の不安は、つまらない映画を作ってしまうことでした。そういう映画を作りたくなかったし、ゴミを出し続けるために契約に縛られたくなかったんです。」
2019年、ダウニー・Jr.と共に『アベンジャーズ/エンドゲーム』をもってMCUから卒業したエヴァンス。別のインタビューでは、キャプテン・アメリカ就任当時の重荷は、すでに『アイアンマン』(2008)で成功を掴んでいたダウニー・Jr.の存在があったから感じなかったと明かしていたが、二人揃っての有終の美となった。
以降のエヴァンスは『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)や『グレイマン』(2022)『ゴーステッド Ghosted』(2023)などに出演しており、役者としての幅も広げている。最新作はエミリー・ブラント共演の『ペイン・ハスラーズ』とドウェイン・ジョンソンとのアクション・アドベンチャー映画『レッド・ワン(原題)』。精力的な活動を見せているが、今後は仕事のペースを落とす意向だという。
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Source: Vanity Fair