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『ジャスティス・リーグ』「ザック・スナイダーのユニバースを復活させて」ファンの要望運動が再燃、100万ツイートを突破

ジャスティス・リーグ
JUSTICE LEAGUE and all related pre-existing characters and elements TM and © DC. Justice League and all related new characters and elements TM and © Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

DC映画『ジャスティス・リーグ』(2017)をめぐるムーブメントは新たな段階に突入した。撮影中に降板したザック・スナイダー監督の初期構想に基づく『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(2021)の実現に続いて、ザックが本来構想していた企画ユニバース、通称「スナイダーバース」の復活を求める動きが高まってきたのである。

「#RestoreTheSnyderVerse(スナイダーバースを復活させて)」。Twitterでは『ザック・スナイダーカット』のファンを中心に、このハッシュタグを使用した運動が行われ、総ツイート数は100万を突破。世界のトレンドにもランクインを果たした。署名活動サイト「change.org」でのキャンペーン(英語)も始まり、その動きはますます活発化している。

『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』は、『ジャスティス・リーグ』の劇場公開版がザックの構想と大きく異なることを知ったファンが「#ReleaseTheSnyderCut(スナイダーカットを公開して)」のハッシュタグで要望を訴えたことをはじめ、大規模な署名活動やキャンペーンを実施したことから製作が叶ったもの。ザックの降板後、事実上の後任者となったジョス・ウェドンは、スタジオの要望を踏まえて再撮影・再編集を実施。ザックのビジョンとは大きく異なる作品に映画を作り変えていたのである。

もともとザックは、『マン・オブ・スティール』(2013)『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)に続き、『ジャスティス・リーグ』を3部作として計画していた。すなわちスナイダーバースは『ジャスティス・リーグ』後も続くはずだったが、ザックの降板により、この計画は不可能となった。ワーナー・ブラザース/DCコミックスは『ジャスティス・リーグ』劇場公開版を正史とする構えで、『ザック・スナイダーカット』の続編は計画していない。これを受けて始まったのが、「#RestoreTheSnyderVerse」運動だ。

ザックはこれまでのインタビューで、劇場公開版を正史とする流れを受け入れること、ワーナー/DCとは違う道を進むことを認め、現在はコミック映画への情熱が薄らいでいることも明かしていた。しかし、自身の立ち上げたユニバースへの愛着は変わらないのだろう。ポッドキャスト「Pop Culture Weekly with Kyle McMahon」では「続くといいな、と望みはします。僕が決めることじゃないですが」と話した。

「ファンのみなさんが実現してくれた機会に感謝しています。彼らの貢献、僕の家族、このバージョンを完成させるために友人たちがやってくれた仕事を誇りに思っているんです。ワーナーとDCには独自の世界があって、彼らは彼らのすべきことをする。[中略]僕の小さなユニバースは独立していて、それには満足しています。今後どうしたいのかはファンのみなさんに決めてほしい(笑)。」

一方のワーナー・ブラザースのアン・サーノフCEOは、すでに「#RestoreTheSnyderVerse」運動の存在を把握している。ただし米Varietyでは「彼のDCに対する大いなる貢献に心から感謝します」と述べて『ザック・スナイダーカット』の実現を喜びつつも、「これで彼の3部作は完結です。大変うれしく思います」とコメント。DC映画の新方針を「とても楽しみにしている」として、スナイダーバースの継続には言及しなかった。

Source: Pop Culture Weekly with Kyle McMahon, Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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