『ローグ・ワン』タイトルに込められた意味 ─ 「ピッタリだと思った」ギャレス・エドワーズ監督

『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980)氷の惑星ホスの戦いで、ルーク・スカイウォーカーはローグ中隊のリーダーを務めた。この勇敢なるローグ中隊の起源こそ、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ』(2016)で活躍するジン・アーソたちの即席部隊だ。この部隊名、および映画のタイトルにはどのような意味が込められているのだろうか。
ローグ・ワン、発進
『ローグ・ワン』劇中、ジン・アーソはデス・スター設計図奪還に挑む必要性を同盟軍に訴えるも、信用を得られずに退けられてしまう。ジンはやむを得ず、これまで行動を共にしていたキャシアン・アンドー、K2SO、ボーディー・ルック、チアルート・イムウェ、ベイズ・マルバス、そして志願兵と共にスカリフ潜入の秘密任務に飛び立つことになる。
一行は反乱軍基地の離着陸場に駐機していた貨物シャトルSW-0608に乗り込み離陸の準備を進めるが、管制官より「その船は許可なく乗り込むことは禁止だ」と通信が入ってしまう。ボーディーは「許可は得ている」とごまかすが、怪しんだ管制官から「コールサインは?」と問い詰められる。答えに詰まるボーディーを、ジンは「急がなきゃ。適当に答えて」と促す。「ローグ…、ローグ・ワンだ。」
ちなみに、ここでコールサインを求めた管制官の声は、本作共同脚本であり、再撮影パートを主導したトニー・ギルロイ。続くショットで夕空に向けて発進するシャトルを眺める哨兵は、共同制作のジョン・シュワーツだ。
タイトルとしての『ローグ・ワン』
ギャレス・エドワーズ監督が英Emipire誌に語ったところによると、本作のブレインストーミング(アイデア出しのための会議)で挙がったこのタイトルは「突出していた」と言う。「なぜなら、潜在的に複数の意味があったからです。」
コールサインとして
英単語の”rogue”には、”悪党”や”ごろつき”といった意味合いがある。アウトロー揃いのメンバーに同行したボーディーが、同盟軍の規定を破ってこっそり敵地に飛び込もうとする矢先に、コールサインとして”rogue”の単語を思わず口走ったのも納得だ。
初の外伝として
また、同単語には”群れから外れた”といった意味合いもある。『ローグ・ワン』は、『スター・ウォーズ』シリーズにとって初めてメイン・サーガから外れた作品。タイトルに”エピソード”が付かず、ジェダイやフォースが描かれない外伝だ。こうした”アナザー・ストーリー”は、2018年に第2弾として『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』も登場するが、『ローグ・ワン』はその第1弾でもあった。ギャレス・エドワーズ監督は英Emipire誌に、「今作は、これまでのコースを初めて外れて、アナキンの物語に加わらない作品。だから”rogue” one、ということです」と明かしている。
ジン・アーソを表す言葉として
さらに”rogue”には、主人公ジン・アーソのキャラクター性を表す意味合いもある。タフで戦闘スキルに長け、裏社会にも通ずる無法者。「”rogue”な者(one)」という意味だ。「(”rogue”は)同様に彼女のことも表している」と言うギャレス監督は、「複数の意味合いが込められていて、(タイトルとして)ピッタリだと思った」と語っている。
映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』MovieNEXは発売中。
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Source:Empire,Empire October 2016