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『ローグ・ワン』製作トラブル、原因は「物語の純度」 ― 再撮影パート監督、当時を回想する

スター・ウォーズ

「スター・ウォーズ史上最高傑作」
劇場公開後にはそうした評判すら飛び交った、映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)は、衝撃的な製作トラブルの報道によって話題を集めた一本でもあった。公開を約半年後に控えるなか、ディズニー/ルーカスフィルムは本編のおよそ半分を撮り直すことを決断したのだ。

本作で監督を務めたのは、『GODZILLA ゴジラ』(2014)のギャレス・エドワーズ。しかし再撮影・再編集の段階では、『ボーン・アイデンティティー』シリーズの脚本家トニー・ギルロイが大きな貢献を果たした。事実上の共同監督として映画を仕上げたトニーは、完成した作品には脚本家としてクレジットされている。のちにトニーは、『ローグ・ワン』に参加した当時の状況を「ドツボにはまっていて、酷い状況だった」振り返ったのだった。

2018年10月22日(現地時間)、トニーは米モントクレア州立大学にて自らの経験を学生に語っている。失敗から学べることは数多いものだが、それでいえば『ローグ・ワン』の製作トラブルはきっと知見の宝庫だろう。トニーは「『ローグ・ワン』の何がダメだったんですか?」という身も蓋もない質問を正面から受けているのだ。

トニー・ギルロイ
トニー・ギルロイ Photo by Eva Rinaldi https://www.flickr.com/photos/evarinaldiphotography/7732163606/

もちろんトニーは、『ローグ・ワン』の製作で起こったトラブルについて嬉々として語ったわけではない。米northjersey.comが伝えたところによれば、ルーカスフィルムやプロデューサーとのトラブルに発展することを避けるため、質問への回答を一度はためらったというのだ。その後トニーは、作品の問題が“ストーリーテリングの純度”にあったことを明かしている。

(参加した時点で)作品にいろんな人の手が入っていて、かなり混乱していました。アクセサリーやジュエリー、革、ジッパー、そういうものがいっぱいくっついているような状態でしたね。」

これまで『ローグ・ワン』の製作トラブルについては、ギャレス監督が「物事を”制御不能”に任せ」るために大量の映像素材を撮影し、さまざまな可能性を用意したことが混乱につながったとする向きが大きかった。事実、編集を担当したスタッフもその壮絶な作業の内容を一部語っていたのだ。

しかしトニーが今回述べているのは、映像素材や編集の問題というよりも、むしろストーリーテリングの問題だ。脚本を執筆したクリス・ワイツによれば、本作には『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018)のクリストファー・マッカリーら多くの脚本家が携わっていたというが、トニーいわく、それは決して良いことではなかったのである。

(問題は)登場人物の純度なんです。純度のないところから始まってしまえば、それはただダメになってしまうし、ものすごくグチャグチャなものになってしまうんですよ。」

ここで作品の状況は具体的に語られていないが、いうなれば作品は“船頭多くして船山に登る”という言葉がふさわしい状態だったのだろう。以前、トニーは「いざ参加したら、解決方法は至ってシンプルでした。“この映画には野郎どもがいて、全員死ぬってことでしょ”ってね。犠牲を描く映画なわけですよ」と振り返っていた。すなわち物語に軸を定めてから、作品を純粋な状態に引き戻していく作業が行われたとみられる。

しかしその一方で、監督を務めたギャレス・エドワーズは『ローグ・ワン』の製作方法をこのようにも語っていた。映画づくりにとどまらず、「リーダーシップ」というものの難しさを改めて思い知らされるところではないか……。

たとえば僕が創作上の権限をすべて持っていて、“こうやって、ああやって、ああやる。誰の意見も聞くつもりはない、頭の中で決めてるから”って言ってしまえば、それは帝国軍みたいな映画製作でしょう。今回の映画づくりはむしろ反乱軍に近い。僕はほかの人たちよりも反乱軍らしいと思いますよ。」

映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』MovieNEXは発売中。

Source: northjersey.com

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。わかりやすいことはそのままに、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすくお伝えしたいと思っています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp へ。

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