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『ハリー・ポッター』ロン役ルパート・グリント、『炎のゴブレット』以降の作品は観られない ─ 「初期の作品は大丈夫」

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1
© Warner Bros. 写真:ゼータ イメージ

映画『ハリー・ポッター』シリーズでロン・ウィーズリー役を演じたルパート・グリントは、今でも第4作『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005)以降の作品を見返すことができないという。英Radio Timesのインタビューで、ルパートはロン役と自らの人生について再び語った。

元子役のトップスター、ロン役との関わり方

ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン。映画版『ハリー・ポッター』シリーズで主人公を演じた3人のうち、特に苦悩を隠さず打ち明けてきたのがルパートだ。2018年12月上旬のインタビューでは「僕はピークを迎えるのが早すぎた」とすら述べている……。

現在でもルパートは、少年時代の多くを注ぎ込んだ『ハリー・ポッター』シリーズ、ロン役との関わり方に戸惑いを感じているようだ。

「初期の作品は大丈夫なんです、ずいぶん時間が過ぎましたから。あの少年(ロンを演じているルパート)と自分自身を、ちょっとは切り離せるんです。わりと最近になって『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001)を観ました。プレミア上映以来初めて観たんですが、振り返るのはすごく楽しかった。最近の作品は絶対に観られないですけど、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004)までならたぶん大丈夫です。」

ハリー・ポッター
『ハリー・ポッターと賢者の石』TM & © 2001 Warner Bros. Ent. , Harry Potter Publishing Rights © J.K.R.

こう口にするのも無理はない。先日のインタビューで、ルパートは「ロンと僕との境目は作品ごとに薄らいでいました。事実上、僕たちは同じ人間になっていたと思います」と語っていた。今回も当時については、「ロンを演じる前の人生を思い出すのは大変なんです。(シリーズとともに)自分自身が少し失われたように思っていて。演じていない時でさえ、ほとんど演じているような状態でした」と振り返っている。

そんなルパートが『ハリー・ポッター』から抜け出したと感じたきっかけは、自分の扁桃(扁桃腺)を摘出したことだったという。「僕は扁桃が大きくて、大きいなってことを自分で感じるくらいでした。声にも影響が出ていて。いつでも扁桃炎だったんです」。プロデューサーから摘出を薦められたことはあったが、手術からの回復に長い時間がかかること、声が変わってしまう可能性があることから、実現には至らなかったようだ。

『ハリー・ポッター』主役たちの葛藤

ルパートによれば、『ハリー・ポッター』の“恐ろしいまでの人気”を初めて肌で感じたのは東京での出来事だったという。ダニエル、エマと3人で来日した際、買い物をしていたところを運悪く学校が終わったばかりの子どもたちに発見され、大騒ぎになってしまったというのだ。「走って逃げたのはあの時が初めてでしたね」。

ダニエル、エマ、そしてルパートの3人は、現在でも時折連絡を取り合っては、お互いの人生について言葉を交わしているのだそう。以前、ダニエルはルパート&エマについて「(『ハリー・ポッター』以降は)それぞれ全然違う人生ですが、僕たちを繋いだ経験は3人とも共有しています。本当に理解してくれるのは彼らだけです」と述べていた。『ハリー・ポッター』『ファンタスティック・ビースト』シリーズのデヴィッド・イェーツ監督も、3人に対して「君たちは宇宙飛行士みたいなもの。宇宙に行くことがどういうことなのかは、宇宙飛行士にしかわからない」と話したことがあるのだという。

『ハリー・ポッター』がもたらした人生の幸福と苦悩については、ダニエルもしばしば葛藤を口にしており、シリーズの続編舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』についても「きっと観ないです、観る計画はありません」と言い切っている。マルフォイ役のトム・フェルトンは「(将来生まれてくる)子どもたちと一緒に観るという夢がある」ために『ハリー・ポッター』を観ていないそうだが、そうした向き合い方ができるのはむしろ稀有なのだろう。

ところで2018年のクリスマスには、かつて『ホーム・アローン』シリーズで世界中を虜にした“元子役の大先輩”マコーレー・カルキンが、38歳にして同作のセルフパロディに挑戦。ついに呪縛を乗り越えていることを知らしめた。『ハリー・ポッター』シリーズの3人が、自身の当たり役を人生単位できちんと乗り越えるには、まだ長い時間がかかるのかもしれない。

Source: RT

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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