「アジア人俳優が1億ドル損失を出したことなんてないのに、白人俳優は2億ドル損失を二度も出して大作の主役に」シム・リウ苦言「報われないよ」

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)でシャン・チー役を演じるシム・リウが、ハリウッド映画でアジア人俳優の占める割合について持論を述べ、話題となっている。
きっかけとなったのはThreads上で、映画ファンが『シャッフル・フライデー』に出演したフィリピン人俳優マニー・ジャシント、ドラマ「Selfie (セルフィー)」に出演した韓国人俳優ジョン・チョー、ベテラン韓国人俳優ダニエル・デイ・キムを引き合いに「ハリウッドよ、ロマンス映画の主演にもっとアジア人男性を配置して!」と呼びかけたことだ。この投稿を引用する形でリウは「今すぐに、マジでどれでもいいから、アジア人俳優を出演させて。スクリーン上でのアジア人描写の後退ぶりはマジで最悪だ」とシェアしている。
「スタジオは僕たちをリスキーな存在だと思ってる。『ミナリ』『フェアウェル』『パスト ライブス』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『クレイジー・リッチ!』『シャン・チー』。全部商業的に成功してる。アジア人俳優がスタジオに1億ドル近い損失を出したことなんて一度もないのに、白人俳優は2億ドルの損失を二度も出しておいて、平然と次の大作の主役に起用される。僕たちは根深い偏見に満ちたシステムと戦っている。そして大抵の日々は最悪なんだ。」
リウが挙げた作品は、いずれも興行的なヒットも作品としての評価も両立しているものばかり。リウは主演映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』で世界的な俳優の仲間入りを果たし、その後も『バービー』『ジャックポット!』などで存在感を発揮しているが、アジア人俳優として思うところはあるようだ。
リウのポストには「これは出版業界にも影響を及ぼしてます」「ハリウッドはアジアの影響力を恐れているんだ」「私もずっとこれを言ってきた」など様々なリプライが寄せられている。
「もしあなたのような方がハリウッドで男性主役級の資質を持たないというなら、非常に威厳がありプロフェッショナルなアジア人俳優たちが主役級の資質を持たないというなら、この業界全体は完全にどうかしてますよ」とのリプライには、リウが「正しいことを全てやっていても、報われることは何もない。毎日、良い兵士になろうと決意して現れ、意欲と勤労意欲を示し、礼儀正しく振る舞う。それなのに、まったく意味がないんだ」と返している。
本件に限らず、リウはハリウッドに対する意見を日頃から率直に述べることが多い。クエンティン・タランティーノ監督がマーベル映画に対して「あれは映画スターじゃない」と批判したことを受け、「もしもスターになれる映画がタランティーノ作品やスコセッシ作品だけだったら、僕なんかは4億ドル超規模の映画の主役には絶対なれなかったと思う」と自身の境遇から述べている。
また、「映画やドラマのエキストラはすべてAIにすればよい」と有名投資家が発言したことに対しても「非常に愚かで、判断力に乏しく、実態からかけ離れている」と批判しており、スーパーヒーロー映画全体への批判に対しても「ジャンル自体を貶めるのはどうかと思う」と言及している。
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Source:Threads

























