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『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』世界興収、ソニーの歴代記録を更新 ─ 米国では『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』超え

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
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マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の全世界興行収入が、前作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)を上回り、ソニー・ピクチャーズ史上最高の成績を樹立したことがわかった。連日の記録更新が続いている。

Deadlineなどによれば、本作は2021年12月28日(米国時間)に世界興収11億6,133万ドルを記録。最速公開からわずか14日間で『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の11億3,192万ドルを上回った。内訳は米国興収が5億1,643万ドル、海外興収が6億4,490万ドル。前日の27日にはソニー史上最高の米国興収記録を達成していたが、翌日には世界興収でも同社の歴代記録を塗り替えた。年末年始の盛況にも期待がかかる。

また、28日時点の米国興収額である5億1,643万ドルは、新型コロナウイルス禍以前の“最後の超大作”と言ってよい『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)の5億1,520万ドルをも超えるもの。12月17日の米国公開から12日間で、同作が91日間かけて稼ぎ出した金額を上回った。現在、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は米国歴代興収ランキングの第14位に座している(世界ランキングでは第21位)。

まさしくコロナ禍以前の活況を劇場に取り戻したと言ってよい本作は、現時点で、米国歴代興収の第5位にあたる『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)より9%速いペースで興収を伸ばしている。第4位の『ブラックパンサー』よりは22%速いが、同作はロングランによって最終興収7億ドルを突破しているため、配信との兼ね合いも大きい現在、同作を超えられるかどうかはまだわからない。なお、第1位の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)よりは20%、第2位『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)からは14%遅いペースで推移しているということだ。

米国以外の市場で特に秀でた成績を示しているのは、イギリスの7,660万ドル、メキシコの5,790万ドル、韓国の4,320万ドル、フランスの4,210万ドル、オーストラリアの3,590万ドル、ブラジルの3,560万ドル、インドの3,090万ドル。Deadlineは日本での興収にも注目しているようで、「日本では1月公開。『ノー・ウェイ・ホーム』にはまだまだ成長の余地がある」と記した。

もっとも、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が群を抜いた興行を見せつけているものの、世界はいまだコロナ禍のさなかにあり、オミクロン株の感染拡大に対する懸念も大きい。コロナ禍以前とはヒット作の興収や動員の推移にも変化が生じるとみられるため、現在のペースがどこまで持続するか、コロナ禍以前との比較がどこまで有用かは今後わかることだろう。本作のヒットの陰で、同日に米国公開された『ナイトメア・アリー』や、本来ならばもっとヒットするはずだったであろう『マトリックス レザレクションズ』『キングスマン:ファースト・エージェント』が苦境に置かれていることも無視できない。

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、2022年1月7日(金)公開。

Sources: Deadline(1, 2), Box Office Mojo

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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