『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』続編製作は困難か ― 脚本家「すぐに実現する見込みは薄い」

若きハン・ソロの冒険を描いた、『スター・ウォーズ』のアナザー・ストーリー(スピンオフ)映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は、正統派の冒険映画にして、シリーズのファンにも好意的に受け止められた一作だった。しかし2018年9月現在、どうやら続編が製作される見込みは薄いという。
『エピソード5/帝国の逆襲』(1980)などを手がけたシリーズの重鎮脚本家ローレンス・カスダンの息子であり、ローレンスと本作の脚本を共同執筆したジョン・カスダンは、Twitterにてファンからの質問に回答。続編が製作される可能性について、非常に現実的なコメントを残している。

『ハン・ソロ』続編への道、課題は海外興収だった
「『ハン・ソロ』では続編の準備がなされていたように思いますが、続編は作られるのでしょうか?」。ストレートな質問に対して、ジョン氏は“すぐには難しい”との見解を示している。その理由は劇場公開時から話題となった興行収入の問題だった。しかしジョン氏は、当初の予想を大きく下回った米国興収ではなく、むしろ「問題は海外興収だと思います」と記している。
「僕個人としては、さほどコストを必要とせずに作られた、素晴らしい『スター・ウォーズ』作品もあると思っています。今後数年間、映画のコストを抑える傾向になれば、[中略]もしかすると、さらなる物語を描く機会がなんとか与えられるかもしれません。俳優たちやロン・ハワード(監督)、僕はその機会には乗ると思います。」
『ハン・ソロ』が世界各国で公開された2018年5~6月、意外にもハン・ソロを打ち倒したのは“俺ちゃん”ことデッドプールだった。2018年9月16日(米国時間)現在、『ハン・ソロ』の海外興収が1億7,918万ドルなのに対して、『デッドプール2』(2018)の海外興収は4億1,572万ドル。ジョン氏が「問題は海外興収」だと考えるのも頷ける数字の差だ。
また『ハン・ソロ』の場合、その製作費も問題となった。本作ではフィル・ロード&クリス・ミラー監督が本撮影の後半になってルーカスフィルムから解雇され、ロン・ハワード監督が後任者として就任している。大規模な再撮影・再編集を行った影響で、製作費はシリーズ史上最高の2億5,000万ドル以上にもなったと伝えられているのだ。
しかしながら、それでも低予算での続編ならば可能性はあるということなのか……。ただしジョン氏は、ハリウッドや映画業界の傾向に言及しながら、このように記している。
「一般的にハリウッドやハリウッドの文化は、“失敗した”との烙印を押されたものを避けるように思います。ですから(『ハン・ソロ』の続編が)すぐに実現する見込みは薄いでしょう。それでも僕は、ハン・ソロには(現在準備されているものと)違う道はないと思いますけどね。」
もっとも2018年9月16日(米国時間)現在、『ハン・ソロ』の全世界興収は3億9,295万ドルを記録している。企画に費やされた金額をいったん度外視すれば、ハリウッドの大作映画としては「失敗」と捉えるべき金額ではないだろう。
しかし本作が『スター・ウォーズ』という人気シリーズの最新作であること、それゆえ多額の予算が投じられたこと、スタジオの期待が非常に大きかったこと、巨大市場である中国をはじめとした海外市場での成績がふるわなかったことなど、本作にはあらゆる条件が重なりすぎてしまった。その結果として、現時点で『ハン・ソロ』続編の製作は難しいというわけである。
映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』MovieNEXは2018年10月17日(水)発売。今後の反響が続編製作を後押しする可能性もあるはず、まだ諦めてはいけない…!
Sources: Jon Kasdan, Box Office Mojo(1, 2)