『スパイダーマン:ホームカミング』悪役ヴァルチャーは“裏トニー・スターク”、切実すぎる設定が判明
映画『スパイダーマン:ホームカミング』にヴィランとして登場する、エイドリアン・トゥームス/ヴァルチャー(マイケル・キートン)の詳細設定が判明した。これまで「普通の男」だと説明されてきたヴァルチャーとは、一体どんなキャラクターなのか? USA Today誌の取材で、本作を手がけたジョン・ワッツ監督やキートン自身が、その人物造形について詳しく語っている。
『ホームカミング』はMCUと深くつながる作品に
先日公開された、『スパイダーマン ホームカミング』のポスター3種類には、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の観客にはおなじみの“アベンジャーズ・タワー”がいずれも登場していた。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』を経て、スパイダーマンがMCUに本格参入する、その第一作ならではの「MCUとのつながり」を前面に押し出したプロモーションだ。
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Straight A superhero. #SpiderManHomecoming pic.twitter.com/p9VC3NO7cO
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Quickest way to get home. #SpiderManHomecoming pic.twitter.com/O50JUhWKKr
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もちろん『スパイダーマン ホームカミング』は、ただ世界観をMCUと共有したというだけではない。本編では、ロバート・ダウニー・Jr.扮するトニー・スターク/アイアンマンが、ピーター・パーカー/スパイダーマン(トム・ホランド)を導く“メンター”的なポジションを務めるほか、ヴィランのヴァルチャーでさえも、その存在にトニーが深く関わるキャラクターなのである。
ごく庶民的な清掃業者はなぜ豹変するのか
スーパーヒーローが世界を守るべく戦うと、多かれ少なかれ街は破壊される。街が破壊されたあとには、必ず“片づけ”をする人物がいるものだ。『スパイダーマン ホームカミング』でマイケル・キートン演じるエイドリアン・トゥームスは、ニューヨークで、その“片づけ”をする会社を経営している。しかしある時、トゥームスは激怒するのだった。トニー・スタークによって設立された政府組織が、“片づけ”を引き継ごうと業務に介入してきたのである。トゥームスは従業員のショッカー(ボキーム・ウッドバイン)、ティンカラー(マイケル・チャーナス)とともに、エイリアンの残したものをかき集め、高度な技術を盗んで、恐るべき兵器を作り出す。彼らは兵器を犯罪者に売りはじめるが、スパイダーマンがその暗躍に気づくまで、そう時間はかからなかった……。
本作のプロデューサー、エリック・ハウザーマン・キャロル氏は、トゥームスにはトニーの「優れた経歴に不満がある」といい、それゆえ「闇のトニー・スタークになる」のだと説明する。たしかに、自らの技術で作った武器を売りさばくという方法は、かつてトニーが選んでいた道だった。
「トゥームスは、お金と力があれば自分の人生をもっとコントロールできると思っているんです」

また演じるキートンは、トゥームスの内面をこう語っている。
「自分たちは被害者なんだ、と感じている人たちがいる。トゥームスも自分自身をそんなふうに思ってるんだ。おそらく彼には、自分には成功するチャンスがなかったという強い主張があるんだよ。“どうして僕じゃないんだ?僕のチャンスはどこにある?”ってね」
ちなみにキートンは、別のインタビューで、トゥームス/ヴァルチャーを「思っていた以上に、すごく興味深いヴィランだ」と話していた。「彼の主張が理解できるかもしれない、って思うのさ。演じていて面白いよ」。
ジョン・ワッツ監督、「普通」を探る
ヴァルチャーによって価値ある素材が見つけられ、それらをティンカラーが組み合わせて武器に変える……。そんな、スーパーヴィランには似合わないような行為を、ジョン・ワッツ監督は「ヴィランにとって最高のスタート地点」と呼ぶ。その背景には、監督がマーベル映画を撮るうえで心がけた信条があった。
「これまで僕たちは、(MCUで)億万長者の発明家や北欧神話の神がどんな気持ちなのかを知ってきた。この世界の一番トップを見てきたんだ。でも僕らは、まだ普通の人たちの気持ちを知らない」
「規模の大きい映画で、余計な部分に目をつけて、“彼はこれをどう思ってるんだろう?”って考えるのが好きなのさ。こういう映画では、街全体が壊れたり、信じられないことが起こるのに、みんなが平然としてたりするよね。“まあ、そういうもんだよね”って。もし現実に起こったら、それは驚くべきことだし、すべてが変わっちゃうのに」
思えば『シビル・ウォー』でも、スーパーヒーローの活躍によって居場所を追われた“普通の人たち”の姿が描かれていた。登場人物たちの目線がさらに下がる『スパイダーマン ホームカミング』では、そうしたテーマを共有した上で、より切実な人間ドラマが展開されることになるのかもしれない。
ワッツ監督は、マーベル・シネマティック・ユニバースをこう表現している。
「みんなが、ヴィランにも普通の人間にもなりうる場所だ。スーパーヴィランなら、フルタイムの仕事は必要ないからね」
映画『スパイダーマン:ホームカミング』は2017年8月11日公開予定。なお本日2017年3月28日(米国時間)には、本作の新たな予告編が解禁される見込み。公式Instragramでは、近ごろ定番化している「予告編の予告編」が公開されている。
Sources: http://www.usatoday.com/story/life/movies/2017/03/27/sneak-peek-michael-keaton-is-vulture-in-spider-man-homecoming/99534662/
http://variety.com/2017/film/in-contention/michael-keaton-spider-man-homecoming-the-founder-1201958387/
Eyecatch Image: http://theplaylist.net/robert-downey-jr-true-dectective-creator-nic-pizzolatto-bringing-perry-mason-hbo-20160816/ (©2016 Marvel All rights reserved.)
http://www.usatoday.com/story/life/movies/2017/03/27/sneak-peek-michael-keaton-is-vulture-in-spider-man-homecoming/99534662/ (Photo: Chuck Zlotnick / ©Marvel Studios 2017. ©2017 CTMG. All Rights Reserved.)