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スティーブン・スピルバーグ、Netflix作品のアカデミー賞締め出しを否定か ─ 友人の映画プロデューサーが証言

スティーブン・スピルバーグ
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/35355058574/

巨匠監督スティーブン・スピルバーグが、アカデミー賞のノミネート条件変更を自身が提案するという報道を否定しているようだ。この動きはNetflix作品のオスカー締め出しを意図するものではないかとして、米国をはじめ世界各国で賛否を呼んでいた。

現在までの経緯はこちら

「そんなことはまったく言っていない」?

2019年3月8日(米国時間)、テキサス州オースティンでのフェスティバル「サウス・バイ・サウスウエスト」に、スピルバーグの友人でありドリームワークス・アニメーションCEOのジェフリー・カッツェンバーグ氏が登壇。スピルバーグが「アカデミー賞にはより長期の劇場公開作品がふさわしい」との意向を示しているという件について、スピルバーグの思いを代わりに伝えた。

「昨日、この件についてスティーブンと話しました。具体的に尋ねてみたのですが――(この話題に)私はこれ以上かかわりませんよ――スティーブンは、“僕はそんなことはまったく言っていない”と言っていました。実際のところ、彼は何も言っていません。

つまり、ジャーナリストがスティーブンについてのデタラメや噂話を耳にしたということです。そして広報担当者にコメントを求めたわけですが、それは曲解されてしまった。第一に、スティーブンはそんなことは言っていません。第二に、彼がアカデミーに対して計画のようなものを4月(編注:アカデミー理事会)に提案する予定はありません。ただし彼は意見することもなければ、特定の物事に賛成することもしません。」

つまりジェフリー氏によれば、スピルバーグがノミネート条件の変更をアカデミー側に提案する予定はなく、すべては報道によって生じた誤解だというのだ。確かに、きっかけとなった米IndieWireの記事には“スピルバーグがアカデミーへの提案を行う”との内容が記載されていた。ここで、スピルバーグの製作会社アンブリン・エンターテインメントによる声明を再度確認しておきたい。

「スティーブンはストリーミング配信と劇場公開の違いを強く感じています。提案の際、ほかの方が(スティーブンの取り組みに)加わってくだされば、彼は喜ぶことでしょう。どんなことが起こるのか、彼は様子を見ることになります。」

当時の記事内容やアンブリンの声明文に、IndieWire側の解釈や編集がどこまで加えられていたのかはわからない。したがって、これについては続報を待つことになるだろう。ただし、スピルバーグが2018年3月に“Netflix作品はオスカーにふさわしくない”との考えをはっきり示していたことも事実だ。

「テレビのフォーマットに作品を委ねたら、それはテレビ映画です。優れた番組はエミー賞には値しますが、オスカーにはふさわしくない。いくつかの映画館で1週間未満の上映をして、形だけの資格を得た映画が、アカデミー賞のノミネートに適しているとは思いません。」

スピルバーグがジェフリー氏に伝えたという「そんなことはまったく言っていない」という言葉の“そんなこと”とは、いったい何を指すものだろうか。「アカデミーに条件の変更を提案するとは言っていない」なのか、「アカデミー賞には長期の劇場公開作品がふさわしいとは言っていない」なのかで、その意味は大きく変わってしまう。アンブリンの声明をIndieWireが掲載したのも、スピルバーグの意思をジェフリー氏が代わりに話したのも伝聞とあっては、もはやスピルバーグの真意をきちんと判断することはできない。ひとまず、「スピルバーグが4月の理事会でノミネート条件の変更を提案することはない」ことだけは確かといえるのだろうか。

なお一連の報道は、映画館とストリーミング配信について、そして変化を迎える映画界について、ベン・アフレッククリストファー・ノーランなど多くのフィルムメーカーを巻き込んだ議論へと発展しつつある。転換期を迎える映画業界において、スピルバーグやアカデミー賞、Netflixという各個人や団体・企業にとどまらず、より広い視野で注視すべき問題であることは確かだ。

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Source: THR

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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