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『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』細かすぎて伝わらない小ネタを監督に聞いてみた ─ そしたら本当に細かかった

──映像の情報量が凄まじく、たくさんの小ネタが隠れているんだろうなと思います。その中でも、細かすぎて伝わらない小ネタはありますか?

ケンプ:細かすぎて伝わらない小ネタといえば、マイルスの着ているジャージ。グウェンが部屋に現れるシーンで、彼はニューヨーク・ニックスではなくて“ブルックリン・ニックス”のジャージを着ているんです。そして一瞬、ジャージの背中のプリントが映るんですけど、そこに書かれている選手名はシャムゴッド。これは、最も偉大なストリートバスケ選手であるゴッド・シャムゴッドへのオマージュです。マイルスの世界では、彼はニックスの選手で、バスケの殿堂入りを果たしているという裏設定。だからシャムゴッドのジャージを着ているんです。そういう細かいネタが盛りだくさん。一時停止しながら観ないと気付かないでしょう。 

ホアキン:カフェにはミゲル・オハラのハンバーガーも登場します。面白いですよね。

ジャスティン:僕にとっては、そういう小ネタがたくさんあるからこそ、この映画は壮大に感じられるんだと思います。それぞれの世界がリアルなものになるように頑張っているということです。ブルックリンには、地元民しか知らないようなことがあって、Real Mother Shuckersという牡蠣の屋台があるんけど、その店主に許可を取って登場させたんです。地元の人しか知らないような、細かいブルックリンネタを取り入れたんです。

ケンプ:屋台で牡蠣を売ってるんです。

ジャスティン:お店を映画に登場させていいですかと許可を取ったんです。リアルな世界観を描くためにね。そういう描写がたくさんあります。みんなが映画の一部になりたがっているというのが嬉しいです。

──ユニバースごとに異なるアートの混ぜ方はまるで魔法のようで、あれほどトーンの違うものを混在させながらも一切散らかった印象がなく、素晴らしかったです。

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース
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ホアキン:それこそがストーリーの強みだと思います。登場人物の冒険に夢中になっていれば……、それをどう描くのかが、最も大切でユニークであることなのですが、理想的には冒険に夢中になっていれば、何が起こってもおかしくないわけだし、そのことに没頭するはずなんです。この映画は、何度見直しても、その度にスクリーンの中に新たな発見を見つけられるはずです。

『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は大ヒット公開中。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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