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【解説】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』予告編第2弾、徹底考察 ─ マルチバースとストーリーを予想する

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
©2021 CTMG. © & ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームより、第2弾となる新予告編が公開され、話題を呼んでいる。この記事では、映像内の気になるポイントを詳しく観ていこう。

蜘蛛に噛まれたあの日 ─ MCU版スパイダーマンのオリジンへの言及

予告編の最初にピーター・パーカーは、「蜘蛛に噛まれたあの日から、一週間だけ本当の自分でいられた」と話している。これは、MCU版におけるスパイダーマンのオリジンへの初の言及と捉えることができる。

過去のシリーズ『スパイダーマン』『アメイジング・スパイダーマン』では、高校生のピーター・パーカーが特殊な蜘蛛に噛まれ、スーパーパワーを身に着ける過程が描かれた。一方、MCU版のスパイダーマンは既にスーパーパワーをある程度使いこなす少年として、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)にてトニー・スタークにリクルートされる形で初登場している。ピーターがどのようにしてスーパーパワーを獲得し、そしてベンおじさんを失ったかについては、実は詳しく語られたことがなかったのだ。

『ノー・ウェイ・ホーム』はMCU版スパイダーマン三部作の完結作となるから、ここで彼のオリジンが初めて明かされることになってもおかしくない。

逃亡者ピーター・パーカー

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
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シリーズ前作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』でピーターは、ミステリオ/クエンティン・ベックにスパイダーマンとしての正体をバラされてしまう。さらにミステリオがスパイダーマンを悪人として告発したことにより、ピーターは社会での居場所を失ってしまう……というのが、今作の物語の下地だ。

ピーターにとってかけがえのない理解者であるMJは、たとえピーターが世界から敵意を向けられていようとも、彼の側を離れない。映像では追われる身になったピーターが、MJと共に逃亡している姿が見られる。地下鉄内をスイングするカットはスリリングだが、これは『スパイダーマン3』でサンドマンと戦った場面を彷彿とさせるようでもある。

ドクター・オクトパスに別人の可能性

『スパイダーマン2』からの再登場となるドクター・オクトパスは、宿敵ピーター・パーカーを捕まえるも、その素顔が彼の知る男と違うことに困惑している。これは、MCUのマルチバースの概念への理解をひとつ進めるような描写だ。

MCUのファンはこれまでもマルチバースによる掟破りのキャラクター共演に期待しながら、肩透かしを食らったことがある。前作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)でミステリオが紹介したマルチバースはフェイクだったし、ドラマ「ワンダヴィジョン」(2021)に登場したエヴァン・ピーターズは『X-MEN』ユニバースのクイックシルバーかと思われたが、結局は同じ容姿をしただけの別人であった。

『ノー・ウェイ・ホーム』のマルチバースも、我々が想像するような概念ではない可能性があった。例えば、マルチバース間には“ゆらぎ”があり、登場したドックオクはMCU版のスパイダーマンを自身の世界のスパイダーマンと同一視している、という考え方だ。いうならば、マルチバース間にはスパイダーマンのイデアが存在するということである。

しかし予告編でのドック・オクは、ピーターの素顔を見て「お前はピーター・パーカーではないな(You’re not Peter Paker. 字幕:お前は誰だ)」と言っている。これは、ドック・オクはトム・ホランド版とは別のピーター・パーカーを追ってMCUバースにやってきた、ということを示唆している。

それでは、ドック・オクが追っていた版のピーターとは誰かといえば、当然ながらサム・ライミ版『スパイダーマン』でトビー・マグワイアが演じていたものが挙げられる。しかし、ここではあえて、これがマグアイア版ピーターに限らないという可能性を、二つの理由から考えてみたい。

まず一つは、予告編のドック・オクが「スパイダーマン」ではなく「ピーター」と呼び続けていることである。『スパイダーマン2』(2004)のストーリーをよく思い出してみてほしい。スパイダーマンの正体がピーター・パーカーであることをドック・オクが認識するのは、映画の最後、ドック・オクが核装置と共に自死を選ぶ直前のことである。彼はスパイダーマンの正体を知ってから、アームの動きを制御する意志の力を獲得し、「怪物のままでは死なんぞ」として善人に戻っているのだ。

もしも『ノー・ウェイ・ホーム』が、『スパイダーマン2』でドック・オクが川に沈んで息絶える直前の状態から転送されて現れるのであれば、街を破壊しながらピーターを執拗に追う理由が見当たらないのである。

もう一つの理由は、アームの色やデザインが『スパイダーマン2』とは異なっているという点である。『スパイダーマン2』でのアームは着色されていなかったが、『ノー・ウェイ・ホーム』は赤と黄色に着色されているように見える。アイアンマンカラーであることも妙で、スターク・インダストリーズのテクノロジーを悪用しているのではないかという考え方もできる。実際に、映像の1:50では、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)でトニー・スタークが披露したナノテクノロジーのように、アームが赤いアタッチメントを帯びていく様子が確認できる。

このことから、『ノー・ウェイ・ホーム』ドック・オクは『スパイダーマン2』からではなく、また別のユニバースから出現するという可能性が考えられる。スパイダーマンの正体がピーターだと知ったまま敵対視しており、さらにナノテクノロジーと思しき技術を悪用しているというバージョンのドック・オクだ。

追記:二つ目の理由に反対する説として、0:50でドック・オクのアームがピーターを襲った瞬間、ピーターが顔にマスクをかぶせていない点に着目する。ソニー・ピクチャーズ映画のYouTube公式動画が概要欄で示唆しているように、ここでピーターのスーツは「ナノマシンが足らない」ために、頭部の装着に至らなかったのではないか。

なぜナノマシンが足りないのか?ドック・オクが何らかの手法でピーターから奪ったからではないか。1:50のカットでドック・オクがアームにナノマシンを纏っていたのは、スパイダーマンから奪った直後の場面なのかもしれない。また、他の場面ではピーターがインテグレーテッドスーツを着用していないということにも合致する。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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