Menu
(0)

Search

【解説】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』予告編第2弾、徹底考察 ─ マルチバースとストーリーを予想する

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
©2021 CTMG. © & ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

「亡霊と戦え」

1:26ではドック・オクの声が、「闇の中を飛び回り、亡霊(ghosts)と戦え」と話している。ピーターが「どういう意味?」と尋ねるように、これは意味深だ。登場するヴィランたちが過去の映画とはまた別の世界の可能性があると論じたが、彼らはさらに別の概念と共に現れる存在なのかもしれない。

たとえば、マルチバースを通過する際に、肉体は置き去りにされ、魂だけが移動すると考えるのはどうだろう。通過した魂は現れた先の別世界で、元の世界とよく似た肉体を獲得し、元の世界の意識のままに活動する。しかし、これは厳密には元の世界とは同一とは言えない。優秀かつ冷静なドック・オクはそのことに気付き、「亡霊」と表現したのではないか。

一方、グリーンゴブリンはヒーロー殺しの意識に魂が支配されており、スパイダーマンを追うことしか考えていない。承認欲求に支配されたエレクトロは「邪魔するな」と言っているように、MCU世界で邪悪な何かを成し遂げようとしているのかもしれない。

サンドマンとリザードの登場

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
©2021 CTMG. © & ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

これまでの告知では主にドクター・オクトパスとグリーンゴブリンの再登場が取り上げられ、エレクトロの登場も告げられていた。この度の予告編では、『スパイダーマン3』(2007)に登場したサンドマン、『アメイジング・スパイダーマン』(2012)に登場したリザードの再登場も正式に明らかにされている。これで、『スパイダーマン』から『アメイジング・スパイダーマン2』に至るまで、過去のスパイダーマン実写映画全5作のヴィランがそれぞれ1体ずつ登場することが確定となった。

映像では2:14で、サンドマンとリザードがエレクトロと共にスパイダーマンに迫る様子が確認できる。彼らも例によって、過去作に登場したフリント・マルコやカート・コナーズ博士と同一人物であるかは定かではない。

自由の女神像とキャプテン・アメリカ

予告編の後半では、ニューヨークにある自由の女神像が舞台の一つになることが明らかになる。映像の1:04では、女神像にキャプテン・アメリカのシールドを持たせるための工事が行われいる様子が確認できる。映像が短いため詳細を見ることができないが、シールドのデザインがスティーブ・ロジャースやサム・ウィルソンが持ったものと少々異なるようにも感じられる。

1:57では、工事中の女神像の頂上で、ピーター・パーカーが謎のボックスを持ってエレクトロの攻撃をかわしている。さらに2:19では、女神像から巨大なシールドが落下する。2:07では、自由の女神像から魔術に由来すると見られるエネルギー体が爆発するような瞬間が見られる。

スパイダーマンと自由の女神、落下、と来て思い出されるのは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでも楽しめるアトラクション『アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド』だ。このアトラクションでは、ドクター・オクトパスが反重力装置を発明し、エレクトロ、ホブ・ゴブリン、ハイドロマン、スクリームと共に自由の女神像を盗む。ゲストは女神像の頭部と共に宙に浮き上がり、そして落下するという体験ができる。

また、予告編の0:15では地下鉄と正面衝突しそうになるすんでのところを回避する描写があるが、USJの『ザ・ライド』でも、トラックと衝突しそうになるというよく似た構図がある。

落下するMJ

予告編の終盤、自由の女神像のもとでスパイダーマンがヴィランたちと戦う場面では、MJが落下するという展開が確認できる。これは、スパイダーマンのコミックの重要な悲劇の再現だ。

コミックでは、ピーターの恋人グウェン・ステイシーがグリーンゴブリンによって落下死するというエピソードが知られており、これは『アメイジング・スパイダーマン2』でも描かれた。これを踏襲するなら、ピーターはMJを救えず死なせてしまうという展開が待っていることになる。直前にピーターが「全員は救えない」と発するセリフも意味深である。またトム・ホランドは本作について、「ダークで悲しい」「残酷」と予告していたこともある。


この予告編は様々な可能性について考察させられる、情報量の多い内容となった。今度もさらなる新情報が明かされることも期待できそうで、公開まで楽しみが続きそうだ。

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は2022年1月7日、日本公開。

Writer

アバター画像
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly