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【解説】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』予告編第2弾、徹底考察 ─ マルチバースとストーリーを予想する

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
©2021 CTMG. © & ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

エレクトロも別人か

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ドック・オクが別人であれば、その他のヴィランたちも我々が知る映画とは別の世界からの使者なのかもしれない。その可能性に説得力を与えるが、ジェイミー・フォックスが再演するエレクトロだ。『アメイジング・スパイダーマン2』 (2014)では青い肌の怪物だったエレクトロは、『ノー・ウェイ・ホーム』では黄色い稲妻を放っており、コスチュームも明らかに異なっている。

また『アメイジング・スパイダーマン2』のエレクトロはもともと気弱な性格で、エレクトロになった後は声に細かなフランジャーがかかったように喋る。

一方、予告編では「邪魔するな(You’re not  gonna take this away from me)」とはっきりとした口調で発している。一瞬だけ映る素顔は、髪や髭も丁寧に整えられており、これが『アメイジング・スパイダーマン2』のマックス・ディロンと同一人物だとは到底思えない。

なお、エレクトロが放電する瞬間、星形の稲光が顔から発せられているが、これはコミック版のデザインへのオマージュと見られる。

グリーンゴブリンと満月のゴブリン

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前回の予告編ではパンプキンボムと声のみが登場し、2種の海外版ポスターではなぜか豆粒サイズで描かれていたグリーンゴブリンも映像初登場。おなじみのグライダーに乗って飛来する。

1:56から聞こえる「ピーター、悩み苦しめ。すべてを手にしたお前が何を選ぶのか。世界が見ているぞ」という声はおそらくグリーンゴブリン役のウィレム・デフォーによるものと思われ、その邪悪ぶりは健在のようだ。

グリーンゴブリンのスーツは一見したところ『スパイダーマン』時のものと同一に見えるが、2:04にわずかに映る人物の正体が掴めない。グリーンゴブリンのスーツとグライダーが使用されているのは目視できるが、マスクは被っていないようで、その代わりにゴーグルを着用しているように見える。デフォーが演じるノーマン・オズボーンが劇中で別デザインのスーツを入手するのか、あるいは2人目のゴブリンが登場するのか。

『アメイジング・スパイダーマン2』では、デイン・デハーンが演じたハリー・オズボーンがグリーンゴブリンとなった。この映画でゴブリンは、満月の浮かぶ夜にスパイダーマンとの戦いを繰り広げてる。今回の映像でも、謎のゴブリンは満月を背に飛来している。

また、ピーターがパンプキンボムを空中で対処しようとするも、爆発してしまうというカットもある(1:35)。パンプキンボムといえば、『スパイダーマン3』(2007)ではハリー・オズボーンの顔に深刻なダメージを与えた致命的な武器だ。ピーターは爆発の瞬間、インテグレーテッドスーツを身に纏おうとするが、果たして間に合うのか?安否が心配される。

ブラック&ゴールドスーツとストレンジとの衝突

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シリーズでは毎作新たなスーツが登場するが、今作では「ブラック&ゴールドスーツ」が登場する。ホットトイズより既に発表されていたこのスーツのフィギュアでは、付属品として魔法円がついたスパイダーウェブパーツがある。このことから、ブラック&ゴールドスーツでは何らかの魔力を帯びたウェブを放つことができると予想される。

このスーツが『ノー・ウェイ・ホーム』のストーリーに深く関わってくるはずだ。ドクター・ストレンジは、出現したヴィランたちは皆スパイダーマンと戦って命を落とす運命なのだと説明しており、ピーターはこれに納得していない様子。そこで、魔力を秘めていると見られるボックスを盗み取っている。

なぜピーターは、ヴィランたちの死を拒んだのか?優しい性格のピーターだから、彼らと戦って殺してしまうことを残酷だと考えたはずだ。『ホームカミング』でも『ファー・フロム・ホーム』でも、常にピーターは望まない戦いを強いられている。

あるいは、この時点でピーターはヴィランのうちの1人と仲を深めており、彼に同情したのかもしれない。その場合は、ドクター・オクトパスが彼の新たな友人となるだろう。映像内でも、ピーター&MJ&ネッドに捕らえられた様子のドック・オクが、名前をめぐってからかわれている姿が見られる(ちなみにコミックでも、ドック・オクはおかっぱの髪型などをスパイダーマンから嘲笑されることがある)。

ドクター・オクトパスことDr.オットー・オクタビアスは、元々は(マグワイア版の)ピーターが尊敬する理性的な科学者だった。彼がヴィランにさえならなければ、ピーターとは理想的な師弟関係を築けたはずである。優れた知能の持ち主でもあるドック・オクは今回の映画で、ピーターたちと冷静な話し合いを行い、この混沌の事態を共に解決しようと手を組んだかもしれない。トニー・スタークを失ったピーターにとって、科学者のドック・オクは魅力的な大人に映ったはずだ。

そこにドクター・ストレンジがやって来て、ドック・オクはスパイダーマンと戦って死ぬ運命だと告げたのだとしたら、ピーターが抵抗するのも当然である(MJが指摘するように、そもそもこんな状況になったのもストレンジが魔術に失敗したせいなのだし)。ピーターは「他に方法があるはずだ(There has to be  another way. 字幕:他に方法は?)」と、彼らを救う手立てを探そうとしているが、ストレンジは「諦めろ(There isn’t)」と一方的に否定している。トム・ホランドは、劇中でピーターとストレンジの関係性が「壊れる」と予告していたが、これは出現したヴィランたちの処遇をめぐって意見が対立するということを指していたのかもしれない。

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ストレンジと衝突したピーターは、ヴィランたちの運命を自力で変えようと試みるだろう。そこでおそらくピーターはボックスを奪うのであり、予告編ではボックスを手にしたスパイダーマンとストレンジの壮大な追走劇が切り取られている。もしかしたらブラック&ゴールドスーツは、ボックスの力によってパワーアップされたものなのかもしれない。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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