バッキー役セバスチャン・スタン、マーベル映画は「帰る場所」 ─ 2018年は「やりたいことが変わった一年」

映画『キャプテン・アメリカ』シリーズ、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)でバッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャーを演じているセバスチャン・スタンが、英IndieWireのインタビューで2018年を振り返った。
日本に住むセバスチャンのファンにとって、今年は『ブラックパンサー』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』という3本の出演作が封切られた稀有な一年だった。
このうちセバスチャン本人が特に印象深かったのは、実在のフィギュアスケーター、トーニャ・ハーディングの元夫を演じた『アイ,トーニャ』だったそう。バッキー役とは相反する、妻に暴力を振るっては苦悩し、それでも暴力を振るう役どころは自身の大きなターニングポイントになったようだ。
「(2018年は)やりたいことが大きく変わった一年でした。『アイ,トーニャ』が、その後やりたいことの基準を作ってくれたんです。」

『アイ,トーニャ』は2017年12月に米国公開された作品だ。すなわち2018年は、セバスチャンにとって“トーニャ以降”。その胸中には、常にある思いがあったという。
「ああいう機会を探したい、(演じるのが)怖くて、自分にとって挑戦的な作品を見つけたいと思うようになったんです。あの映画に出て、“どうすればこんな仕事にもう一度出会えるんだろう”と感じました。心から、もう一度やってみたいと思っていたんです。」
そして出演の機会を掴んだのが、ニコール・キッドマンが主演するスリラー映画『Destroyer(原題)』だった。セバスチャンが演じるのは、ニコール扮する潜入捜査官の同僚役。主人公の人生に大きな傷を残す危険な任務をサポートする役どころだ。『アイ,トーニャ』に続いて、これは非常に難しい、やりがいのある役柄となったようである。
この作品以外にも、2018年にセバスチャンは複数の企画に参加。主演映画『Monday(原題)』や、『今日、キミに会えたら』(2011)のドレイク・ドレマス監督による新作映画(タイトル未定)を撮影したことが明らかになっている。また2019年には、以前撮影された『ずっとお城で暮らしてる(邦題未定、原題:We Have Always Lived in the Castle)』、豪華キャストの実話映画『The Last Full Measure(原題)』の米国公開も待機中だ。
現在、セバスチャンはブレイクのきっかけとなったマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)について率直な思いを語っている。
「マーベル・ユニバースという帰る場所があって、僕は本当に幸せです。10年間ですごくたくさんのことを学びました。いろんな機会を与えてもらいましたし、そのひとつが(マーベル映画の)外に出て、ある意味で自分を伸ばせる、別のかたちで自分に挑戦する場所を見つけることでした。これほど良いことなんてありませんよね?」

現在の作品選びが表しているように、セバスチャンは高予算の映画ばかりに出演したいタイプの俳優ではない。インタビューでは、スター俳優が集まるMCUに参加していることは「自分にとって自然なものではなかった」との思いも明かしている。「数年前ですらインタビューを受けるのは本当に怖かったですし、一生懸命に状況を把握しようとしていたのを覚えてますね。」
ただしセバスチャンは、今後、新たな大作映画への出演を引き受ける可能性も決して否定していない。
「シリーズものには出ない、なんて言う必要はまったくないと思っています。僕はすべての映画が大好きなので、やる気はあるんですよ。」
2019年、日本での公開が決まっているセバスチャンの出演作品は『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年4月26日公開)のみ。本人は「僕が出てるかどうかはわからない」なんて口にしている状況だが、きっと出ているにちがいない。そのほか出演作品の日本上陸、そして今度こその来日にも期待したいところだ。ディズニーの新ストリーミングサービス「Disney+」で配信される、バッキー&ファルコンのスピンオフドラマの続報も気にかかる。
ちなみにセバスチャンによれば、現在挑戦してみたいのはドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-)のような“時代劇”なのだそう。こちらも実現すれば、きっと新たな一面が見られるはず…!
Source: IW