Menu
(0)

Search

『スタンド・バイ・ミー』牛乳代返すも裏切られたクリスの涙、リヴァー・フェニックスに監督がかけた言葉とは

スタンド・バイ・ミー
© Columbia Pictures 写真:ゼータイメージ

映画『スタンド・バイ・ミー』では、田舎に住む少年たちの刺激的な2日間の冒険が描かれた。森の奥で発見された死体を探す旅に出たゴーディ、クリス、テディ、バーンの4人。この道中で、少年たちは傷ついた心を互いにさらけ出す。

中でも象徴的な場面といえば、なかなか寝付けなかったゴーディ(ウィル・ウィトン)と、見張り番をしていたクリス(リヴァー・フェニックス)の会話シーン。家族との確執もあり未来に悲観的なクリスは、信頼を置くゴーディに、大人からの裏切りを語る。クリスはくすねてしまった牛乳代をこっそりと返したのにもかかわらず、結果それは担任のスカート代へと変わり、そのまま汚名を着せられたのだ。勇気を振り絞って一歩踏み出した途端、大人に裏切られたクリスが「だれも僕を知らない土地へ行きたい」と呟きながら涙した姿は、世代を問わず多くの者に訴えかけるものがあった。

公開から30年が経った2016年、米Varietyの特別インタビューで当時を振り帰ったロブ・ライナー監督は、牛乳代を巡るこのシーンでクリスを熱演したリヴァー・フェニックスの感情を引き出すために、とある言葉をかけていたという。「リヴァーは何度か(このシーンを)やりました」と語るライナー監督。「なかなか感情がこもらなかったんです。そこで私は彼を脇に連れて行って、こう伝えたんです」と続け、結果的に名演技に導くこととなった言葉を以下に明かしている。

「“それが何なのかは言わなくていいけど、とにかくこう考えてみて。君にとって大切な大人が君を失望させてしまって、君自身を助けてくれなかったと感じた時のことを”。この後に撮ったテイクが、映画でのものです。その時彼が何を考えたのかは分かりません。もしかしたら父親か母親だったかもしれませんね。どうでしょう、(リヴァーは)僕に教えてくれませんでしたから。」

リアルな感情を引き出すべく、一種のメソッド演技を活用することでリヴァーを奮い立たせたライナー監督。思えばリヴァーは、家族7人強い絆で結ばれた共同生活を送ってきた。のちにリヴァーの父親は、ハリウッドで成功した息子のライフスタイルの変化に悩み、アルコール依存症となってしまうのだが、そうした父親の姿を『スタンド・バイ・ミー』の頃のリヴァーはつゆ知らず。信心深かった両親を慕っていたはずだ。

1993年、23歳だったリヴァーは突然の死を迎えた。『スタンド・バイ・ミー』出演からわずか7年後のことだ。リヴァーの死から1年後の1994年、母親のアイリンが米Esquireのインタビューで語ったところによれば、『スタンド・バイ・ミー』以降、ハリウッドの引っ張りだことして多忙を極めていたリヴァーが、ある意味では劇中でのクリスと同じ悩みを抱えていたことが分かる。

「リヴァーは成長するにつれて、どんな良いことのためでもあったとしても、看板少年になることを心地よく感じなくなっていったと思います。彼はよく、匿名でいられたら良いのにと言っていました。けど決して彼はそうではなかった。映画スターじゃないときの彼は、伝道師でしたから。大義を背負った男、つまりリーダーの中には美しさもありましたが、その一方で深い孤独もあったんです。」

スタンド・バイ・ミー 『スタンド・バイ・ミー』4K ULTRA HD
【品番】UHB 11012 【価格】4,743 円+税 (1 枚組)
【発売日】2019年10月9日(水)
発売元・販売元:(株)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

Source: Variety,The Guardian

Writer

SAWADA
SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。

THE UNDOING ~フレイザー家の秘密~

極上サスペンス「THE UNDOING ~フレイザー家の秘密~」疑い、裏切り、衝撃の連続にのめり込む ─ ニコール・キッドマン×ヒュー・グラント豪華共演

キャッシュトラック

ジェイソン・ステイサムが最強の新人『キャッシュトラック』ガイ・リッチーとの黄金タッグ復活、クライム・アクションの新たな傑作

クライム・ゲーム

【プレゼント】ソダーバーグ新作犯罪映画『クライム・ゲーム』THE RIVER独占オンライン試写会に100名様 ─ ベニチオ・デル・トロ、ドン・チードル、マット・デイモンら超豪華共演

クーリエ:最高機密の運び屋

【レビュー】『クーリエ:最高機密の運び屋』カンバーバッチの共依存がつくる緊迫のサスペンスに海外メディア絶賛

新スタートレック エンタープライズD

「新スタートレック」エンタープライズDを組み立てよ ─ スタジオモデルを精緻に再現したレプリカキットが限定発売

オールド

【予告編考察】シャマラン『オールド』時間が異常加速するビーチの謎 ─ 一日で一生が終わる極限タイムスリラー

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結

『ザ・スーサイド・スクワッド』は「観るエナジードリンク」、ヤバすぎ展開が「最初から最後まで1秒も止まらない」 ─ 推しキャラ、キング・シャークに人気集まる

フリー・ガイ

『フリー・ガイ』を観て「初めて映画で笑い泣き」 ─ 「観終わってもずっとドキドキ」「想像の7000倍」絶賛の声続々

Ranking

Daily

Weekly

Monthly