Menu
(0)

Search

『スタンド・バイ・ミー』のタイトルはリバー・フェニックスとキーファー・サザーランドのギター弾き語りが元ネタだった?

スタンド・バイ・ミー
© 1986 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

ロブ・ライナー監督による『スタンド・バイ・ミー』(1985)はジュブナイルものの名作として長きに渡って語り継がれている。クリス・チェンバーズを演じたリバー・フェニックスの輝きは今も見る者を魅了する。この傑作映画について、不良グループのリーダー、エース・メリル役を演じたキーファー・サザーランドが、当時リバーにギターを教えたことなどの貴重なエピソードを、トーク番組出演時に明かしている。

「24 -TWENTY FOUR-」シリーズのジャック・バウアー役でおなじみキーファーは子役として長年俳優業に臨むほか、ミュージシャンとしての顔も持ち、ギター・コレクターとしても知られている。

10歳からギターを弾き始め、ミュージシャンの友人も多いキーファーは、番組ホストのジミー・ファロンから「映画の共演者にもギターを教えたことがあるってどこかで読みましたよ」と振られると、「1つよく覚えているのは『スタンド・バイ・ミー』を製作していたときのことです」と切り出した。

「リバー・フェニックスがギターを練習していました。彼はとても上手でしたよ。非常にハイペースで上達していってましたね。そこで僕は『スタンド・バイ・ミー』を演奏して、あの曲を歌っていました。そうするとリバーが“ああ、僕その曲のメロディが大好きだな”って。彼はそれまでこの曲を聴いたことがなかったようなので、僕が彼に教えたんです。」

キーファーが言う「スタンド・バイ・ミー」とはもちろんベン・E・キングのナンバーであり、映画『スタンド・バイ・ミー』の主題歌でもある。キーファーは過去に英The Guardianのインタビューでも「リバーは学ぶ意欲が非常に旺盛だった」と撮影当時の想い出を回想している。

「他の少年たちが年相応のことをしているときに、リバーは『僕と一緒にセリフの練習をしてくれない?』と訊いてきたんです。私がギターを弾いているのを見て、『それは何て曲?僕に教えてくれない?』って言うんですよ。次のレベルへ到達しようとする欲求が明らかで、何か特別なことをしようとしていたんですよね。」

リバーとキーファーがメロディを口ずさみながらギターを弾く姿は想像するだけでも映画のようだ。そこに監督のロブ・ライナーが通りかかり「私もこの曲大好きですよ。久しぶりに聴いたな」と言い、そこで会話は終了したように思えたが、結果、その時の曲名が映画のタイトルになったという。

スティーブン・キングによる原作小説の原題は「The Body(=死体)」。森にあると言われている死体を少年たちが捜しに行くストーリーゆえのタイトルから、『スタンド・バイ・ミー』へと大きく変更されている。

ファロンに「あなたたちのやり取りでタイトルが変わったのだと思いますか?」と問われたキーファーは「分からないです。ただの会話の一部だと思っていたから」と返している。ゴールデン・グローブ賞の公式サイトによると、配給を手がけたコロンビア・ピクチャーズは原作の「The Body」というタイトルから、映画がセクシュアルな成人向け映画、はたまたフィットネスビデオと勘違いされるのではないかと難色を示していたようだ。結果、『スタンド・バイ・ミー』というタイトルを思いついたライナーは高く評価されたとのことで、リバーとキーファーから着想を得たという可能性は濃厚そうだ。

Source:YouTube,The Guardian,GOLDEN GLOBE AWARDS

Writer

アバター画像
Yuka ShingaiYuka Shingai

携帯向け音楽配信事業にて社内SE、マーケティング業務に従事した後、妊娠・出産を機にフリーライターに転向。 映画とお酒と化粧品が好き。日課のオンライン英会話でもしょっちゅう映画の話をしています。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly