タランティーノ原案『スター・トレック』の設定が判明、「1930年代のギャング映画風」に

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)のクエンティン・タランティーノが原案を務めた、映画版『スター・トレック』の設定が明らかになった。米Deadlineが報じている。
タランティーノ版『スター・トレック』は、もともと2017年にタランティーノ自身がアイデアを発案し、プロデューサーを務めるJ・J・エイブラムスに企画を持ち込んだもの。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の製作で多忙だったタランティーノは、脚本の執筆を『レヴェナント:蘇えりし者』(2015)のマーク・L・スミスに託していた。
報道によれば、タランティーノ版『スター・トレック』は「1930年代のギャング映画めいた設定」が主な舞台だったとのこと。これは「宇宙大作戦」シーズン2の人気エピソード『宇宙犯罪シンジケート』を原案とするものとみられる。このエピソードでは、カークとスポック、マッコイが惑星シグマ・イオシア2号星に着陸したところ、待ち構えていたギャングたちに銃を突きつけられるという展開から物語が動き出す。1920年代のシカゴそっくりに設えられた惑星では、いくつものギャング集団が抗争を繰り広げており、カークたちは彼らを仲裁することになるのだ……。
実際のところ、タランティーノが『宇宙犯罪シンジケート』をどのように料理しようとしていたのかはわからない。しかし大の映画マニアであるタランティーノのこと、『スター・トレック』の世界観を存分に活かしながら往年のギャング映画を再現し、オマージュを捧げようとしていたことは確かだろう。以前は「宇宙版パルプ・フィクション」だと言っていたタランティーノだが、こうなれば『レザボア・ドッグス』(1992)らしさにも期待したくなるところだ。
ちなみにタランティーノは、スミスによる脚本を「最高」の出来栄えだと絶賛。残念ながら自ら監督を務めることはないようだが、「良いアイデアなので絶対に作るべき」と強調していたほか、「僕も最初の粗編集版にアドバイスできればうれしい」と話していた。このたび、Deadlineも「タランティーノは監督から離脱したが、今でもプロジェクトが実現する可能性はある」と伝えている。現在、パラマウント・ピクチャーズはシリーズの将来を検討しており、近日中に方針を決定する見通し。タランティーノ原案の『スター・トレック』、お披露目の日は来るか。