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『キャスト・アウェイ』に学ぶコミュニケーションと生産性維持の重要性 ─ 自宅待機に観たい映画を1日1本紹介

キャスト・アウェイ
© DreamWorks SKG 写真:ゼータイメージ

新型コロナウイルスの影響で、自宅で過ごす時間が増えた方も多いのでは。

THE RIVERでは、この困難な時期を映画の力で乗り越えるべく、編集部メンバーそれぞれが「隔離状態」や「孤立」をテーマにしたオススメ作品を厳選。4日連続で紹介する。自宅待機のお供に、ぜひ参考にして欲しい。

初日は、編集長 中谷直登から『キャスト・アウェイ』(2000)をご紹介。

『キャスト・アウェイ』

トム・ハンクス主演、ロバート・ゼメキス監督の2000年の映画。真面目なシステムエンジニア、チャックの無人島サバイバル生活が描かれる。

現在、自宅待機を余儀なくされる人々の中には一人暮らしの方も多いことだろう。しばらく自宅から出られない日々が続けば、人との交流が断たれ、今頃は徐々に曜日感覚さえ薄れてきているのではないか。『キャスト・アウェイ』には、このような閉塞的な日々を切り抜けるためのヒントが詰まっている。

まずは「コミュニケーション」の継続だ。『キャスト・アウェイ』のチャックは、虚無が支配する無人島生活が続く中で徐々に精神を蝕まれていくが、漂流した荷物の中にあったバレーボールに顔を描き、「ウィルソンくん」と名付けて話しかけ続けた。

始めこそ、バレーボールに話しかける馬鹿げた状況を自覚していたものの、次第に愛着が芽生えていき、最終的には海に流されたウィルソンくんを命がけで助けに行くほどの精神的支柱に。いかなる状況下においても、自分はひとりでないのだと信じられるコミュニケーションの重要性が比喩的に描かれている。

幸いなことに、自宅待機は無人島サバイバルほど厳しいものではない。オンラインで友人と顔を見て話すこともできる。コミュニケーションを絶やさず、例えバーチャルでも対話を続けよう。

また、これまでのオフィス勤務と変わらない生産性の維持に努めることも重要だ。もともと、社会生活では時間管理を徹底していたチャックは、孤独な無人島生活でも日々の生産性を意識している。生死がかかった毎日の中で少しづつ生きる知恵を学び、やるべきことを見つけていく。

例えば、イカダを作って脱出するんだと決めたら、「波と風が強まる4月までに作ろう」「そのためにはロープを145メートル分編む必要がある」「そのためには材料がこれだけ必要になる」「1日で編めるロープは大体5メートルだから…」と、タスクを細分化して着手していく。悠久の時が流れるような無人島生活の中で、チャックは「忙しくなるぞ」とさえ言うのだ。

普段なら、山積みのタスクは誰にとっても嫌厭されるものだ。ところが、こうも連日自宅に閉じ込められていると、「やるべきことがある」というのは、案外有り難くも感じられるのである。コミュニケーションと生産性の意識は絶やさず、脱出に希望を抱いたチャックの姿に勇気を貰い、いずれ訪れる収束の日まで耐え抜こう。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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