『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』外伝シリーズをさらに拡大する構想があった

『ワイルド・スピード』初の実写スピンオフ『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』は、シリーズの世界観をさらに押し広げるような野心的な企画だったようだ。2019年の映画公開当時、デヴィッド・リーチ監督と脚本家のクリス・モーガンが作品に込めた想いを語っていた。
本作は、ドウェイン・ジョンソン演じるルーク・ホブスとジェイソン・ステイサム演じるデッカード・ショウがW主人公を務めるシリーズの外伝。敵対し合っていたホブスとショウがそれぞれにとって大切な人のためにタッグを余儀なくされ、『ワイスピ』らしい肉弾アクションを独自の世界観で繰り広げた。
『ワイスピ』といえば、ヴィン・ディーゼル演じるドミニク・トレットを主人公とする物語の一本柱で展開されてきたが、シリーズ8作目を終えたタイミングでスピンオフ製作に舵を切った。メガホンを取ったデヴィッド・リーチ監督は、『スーパーコンボ』を皮切りにさらなるスピンオフ作品製作に拍車をかけるつもりでいたらしく、米Screen Rantとの取材で当初の構想をこう語っていた。
「スタジオも耳を傾けてくださったら良いなと思いますが、(複数の)スピンオフのための肥沃(ひよく)な土地になる世界を(『スーパーコンボ』で)築きたかったんです。私が企画に参加した時のアイデアは、“ホブスとショウの映画をもっと作れるように、それぞれの世界観を構築するにはどうしたらいいか?”というものでした。あの世界のキャラクターでも、彼ら自身のもの(作品)を作れるかもしれないと考えていました。」
リーチ監督が「この映画にはスターがいます」と続けるように、本作ではドウェインやステイサムのほか、メインキャストとしてイドリス・エルバやヴァネッサ・カービーといったAリスト俳優が起用された。出演者それぞれの単独映画が作られることを想定したキャスティングだったのだろう。
脚本・製作を務めたクリス・モーガンも「観客が応えてくださったら、たくさんの冒険が用意してあります」とリーチ監督に同調。モーガンといえば、シリーズ第3作『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』(2006)から第8作『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2018)までの脚本を務めてきた、いわば『ワイスピ』の世界を知り尽くした人物だ。当時、モーガンは「楽しいアイデアがたくさんある」と語っており、すでに『スーパーコンボ』の先の構想を思い描いていたようだ。
『スーパーコンボ』の公開後には続編企画が進行中であることが報じられたが、コロナ禍やハリウッドでのWストライキなど様々な要因が重なり、実現までは程遠いのが現状だ。一方で、シリーズ第10作『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』(2023)ではホブス&ショウが姿を見せ、2026年米公開のメインサーガ最終作『Fast X:Part2』での再登場も見込まれている。
現時点で、『ワイスピ』シリーズはメインサーガの完結後も継続していくことが主演・製作のディーゼルによって伝えられており、女性スピンオフ企画の存在も明らかになっている。リーチ監督&モーガンが『スーパーコンボ』で構想していたアイデア実現の可能性も完全に消滅したわけではないだろう。まずは『Fast X:Part2』の公開を待つのみだ。
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Source:Screen Rant