映画・音楽・テクノロジーの祭典「SXSW 2020」開催中止 ─ 新型コロナウイルスの米国感染拡大を受けて

映画・音楽・テクノロジーが一堂に会する大規模フェスティバル「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト) 2020」の開催が、アメリカでの新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止となった。本来は、2020年3月13日~22日にテキサス州オースティンにて開催される予定だった。
公式発表によれば、SXSW 2020の開催中止はオースティン市の方針に従うもの。主催者側は「このお知らせをすることを非常に悲しく思います。“ショー・マスト・ゴー・オン”が我々のDNAですが、3月にイベントが開催されないことは34年間で初めてとなります」とのコメントを発表。現在はイベントの延期開催を見据えたスケジュールの再調整、およびオンラインにおける「バーチャルSXSW」の開催といった代替案を模索しているとのこと。今後、イベント登録者やクライアント、参加者に対しては、公式からの連絡やFAQページの開設がなされる予定だ。
メディアやジャンルを越境する世界的フェスティバルのひとつとして認知され、高い支持を得ていたSXSWの開催中止について、業界関係者やアーティスト、クリエイターの間では動揺が広がっている。主催者側は、中止の決定を受けて、「SXSWをキャリアの飛躍に活用している創作者のみなさんにとって、世界規模のビジネスにとって、オースティン市にとって、そして映画館や劇場、製作会社、販売会社、サービス業界のスタッフ、そのほかのパートナーのみなさまにとって、現在の状況が非常に重大なものであることは理解しております」との声明を発表。当初意図していた3月の開催は実現しないものの、「今後もみなさまに愛されるユニークなイベントを開催すべく尽力する」「みなさまが目的を達するためのお手伝いを継続する」との意志を改めて強調した。
2020年3月4日、オースティン市の公衆衛生局は「SXSWやその他のイベントを中止することが、コミュニティの安全につながると言える根拠はない」との声明を発表。しかしながら、米国内における新型コロナウイルスの状況変化を受け、迅速に開催中止へと舵を切った。中止に先がけては、NetflixやApple、Twitter、Amazon Studiosなど多数の企業が、本イベントへの出展や登壇を見合わせていた。
▼新型コロナウイルスの影響広がる
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