クエンティン・タランティーノ、『ゴジラ』映画化するアイデアあった

『パルプ・フィクション』(1994)『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)などのクエンティン・タランティーノが、かつて日本の怪獣王・ゴジラを映画化するアイデアを温めていた……。これはハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』(2014)が製作されるよりも以前、2012年ごろに英GamesRadarがタランティーノ本人から聞き取っていたものである。
古今東西の映画を愛し、インスピレーションを自身の作品に反映させてきたタランティーノだが、これまでに怪獣映画を自ら手がけたことはない。しかし、“もしゴジラ映画を撮るとしたら”という構想はあったのだ。
「ゴジラは東京で、いつも怪獣たちと戦い、人類を何度も救っている。それが東京におけるゴジラの役割です。だから、ゴジラは神になるのではないか、と思います。(もしも自分が作るなら)『ゴジラが支配する世界で(Living Under The Rule Of Godzilla)』ですね。とんでもない巨大トカゲが支配する世界で、社会はどうなっているのかを描くんです。」
このアイデアは、のちに『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)でマイケル・ドハティが描いたものに近いといえるだろう。ドハティは怪獣を神として扱い、神話を思わせる巨大なスケールと美しさで、自分の夢想してきたゴジラ映画を撮ったのだ。むろん、タランティーノが撮ったなら、おそらく同作とはまるで異なるテイストになったのだろうけれど。
なお、怪獣映画のファンでもあるタランティーノは、過去に『キル・ビル Vol.2』(2004)でザ・ブライド(ユマ・サーマン)とエル・ドライバー(ダリル・ハンナ)の対決を描いた際、『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』(1996)を元ネタにしていた。ギャレス・エドワーズ監督による『GODZILLA ゴジラ』を観た時には、ジュリエット・ビノシュ演じるサンドラ・ブロディのシーンで泣いてしまったというエピソードもある。ジュリエットのもとに、タランティーノから「3Dのブロックバスター映画で泣いたのは初めてだ」という連絡があったというのだ。
ちなみにタランティーノは、以前から長編映画10作目をもって映画監督業を引退する意向を示していた。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が9作目だったため、残りはあと1本ということになる。現時点で次回作はいまだ発表されていないため、最後にタランティーノが怪獣映画を撮る可能性もまだ残されているかもしれない…?
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Source: GamesRadar, IndieWire