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『TENET テネット』主演ジョン・デイビッド・ワシントン、まだ作品を完全に理解していない

TENET テネット
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クリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』が2020年9月18日(金)に日本公開を迎え、早くも大きな話題を呼んでいる。〈時間の逆行〉をキーワードとする本作では、シンプルなストーリーと、“ノーラン史上もっとも難解”といわれるコンセプトが融合。主人公の“名もなき男”を演じたジョン・デイビッド・ワシントンは、今もなお作品を完全に理解していないことを明かした。

GQのインタビューで「完全に理解するまでにどれくらいの時間がかかりましたか?」と尋ねられ、ジョン・デイビッドは「実はまだ勉強中なんです」と告白したのだ。

「挟撃作戦とか、エントロピーの問題とか……僕も作品を観るたびに、クリス(クリストファー・ノーラン)が全体的に仕掛けたことをより理解できるようになっているんです。僕の基本的な理解は、名もなき男という役柄に基づくもの。だから少なくとも、脚本上、自分のやることは理解できていました。それから(アクションの)訓練をしたことも、コンセプトの理解にはずいぶんと役立ちましたね。」

さらに、インタビュアーから「友達や家族に説明できます?」といじわるな追撃を受けたジョン・デイビッドは、「僕の役柄のことや、挟撃作戦の時、彼(名もなき男)がエントロピーの逆行にどう関わったかということは説明できます」と回答。「だけど全体的には…無理ですね」

名もなき男の相棒、ニール役を演じたロバート・パティンソンも、THE RIVERの取材にて、「僕自身は長い時間をかけて分析し、物理学の複雑さを理解しようとしたけれど、それは不可能に近いと思う」とコメントしていた。「逆行する世界を生きているという演技をする者でさえ、理解するのは至難の業」と。キャット役のエリザベス・デビッキも、完成した作品を観て、ようやく全体像をつかんだというのである。主演俳優さえ「まだ勉強中」と口にする難解さ、一度や二度の鑑賞で理解できなくとも心配は無用。ぜひ映画館に二度、三度と逆戻りしてほしい。

映画『TENET テネット』は2020年9月18日(金)より全国公開中。

Source: GQ

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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