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『ドクター・ストレンジ』エンシェント・ワン役をめぐる人種問題 ジョージ・タケイ氏が異議を唱える

中国にとってチベット人との関係は我々が想像する以上にセンシティブな問題であり、その影響はポップカルチャーにも及んでいる。事実、2010年には大ヒット作『アバター』の2D版上映が中国で禁止され、上映館が縮小された。その理由について表向きには、中国が国をあげて制作した映画「孔子」とバッティングしたためと伝えられているが、もうひとつの理由としてアバターのストーリーが中国のチベット侵略を想起させるためだとも言われている。

ドクター・ストレンジ』で、チベット人のエンシェント・ワンを原作そのままにヒーローの指導者として扱ってしまえば、中国政府の反感を買いかねない。世界最大の映画大国での上映が縮小ないし禁止されてしまえば、当然興行収入にも多大な影響が発生することになる。

とはいえ、チベットからネパールに変更したのはいいとして、なぜアジア人やネパール人でなく、白人女優をキャスティングしたのか、という疑問は解消されない。今年はアカデミー賞授賞式にて、黒人司会者クリス・ロックがハリウッドの人種差別を訴えたり、実写版『攻殻機動隊』の主人公 草薙素子役に白人女優のスカーレット・ヨハンソンが起用されたりと、人種問題の話題が多い。できれば避けたいこの問題だが、マーベル・シネマティック・ユニバースにも影響が現れたのは残念だ。

Source:
http://comicbook.com/2016/04/26/marvel-issues-statement-on-doctor-stranges-ancient-one-casting-c/
http://moviepilot.com/posts/3879080
http://moviepilot.com/posts/3898359
https://www.facebook.com/georgehtakei/posts/1561565090539605

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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