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『ザ・フラッシュ』で考えるマルチバースの問題点 ─ ゾッド役再演のマイケル・シャノン、「役者として満足できなかった」

ザ・フラッシュ
(c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved (c) & TM DC

世は、大マルチバース時代だ。マーベルとDC、ハリウッド映画を牽引する二大ブランドは今、異世界同士が交流できるマルチバース関連の作品企画に勤しんでいる。マーベル・シネマティック・ユニバースが『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で別シリーズのスパイダーマンたちの共演を実現させると、DC『ザ・フラッシュ』では過去のバットマンを登場させる夢の展開を実現させた。

まさに、手持ちのアクションフィギュアを自由に並べて遊ぶようなワクワク感があるが、それは必ずしも役者にとって名誉なことではないようだ。『ザ・フラッシュ』で悪役ゾッド将軍役を再演するマイケル・シャノンは、マルチバース展開が故のデメリットについて、米Colliderに胸中を打ち明けている。

「本当のことを言うと、役者としてはあまり満足できるものではありませんでした。ああいうマルチバース映画は、誰かがアクションフィギュアで遊んでいるような感じでしてね。“ここにコノ人がいて、ここにアノ人がいて、そいつらが戦うんだ!”って感じで、私が『マン・オブ・スティール』当時に感じたような、キャラクター造形の深みがない。それがおかしいと思われようが、私はどうだっていい。

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『マン・オブ・スティール』は、実はすごく洗練された物語だったと私は思っているんです。『ザ・フラッシュ』もすごく洗練されています。ただ、ゾッドの物語はそうじゃない。私は、挑戦するために演じたい性分でね。」

シャノンが演じたゾッド将軍は『マン・オブ・スティール』でスーパーマンを追って出現し、地球を乗っ取ろうとした悪役だ。劇中ではスーパーマンとの死闘の末に倒されたはずだったが、『ザ・フラッシュ』ではフラッシュが過去に移動して歴史を改変したことにより再登場する。

この度のコメントでも明らかなように、シャノンは『マン・オブ・スティール』(2013)を高く評価している。と言うのもシャノンは、ザック・スナイダー監督の才能を敬愛しているのだ。実は『ザ・フラッシュ』での再演オファーが来た時にも、「スナイダーの許しもなく引き受けるのは、私の中でしっくりこない」と吟味。実際にスナイダーに相談したところ、「彼は非常に理解的で、承諾してくれた」ために引き受けたという経緯がある。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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